第39話

「風ノ助くん! すぐに来てくれ! 海が大変なことになってるんだ!」

 突然、楠田先生が血相変えて、茶室に入って来た。珍しく慌てているようだったけど、美味しそうなお茶漬けを前にすると、手に椀を持って海の方へと急いで帰って行った。

 遅れて煤野沢も入って来て、お茶漬けにかぶりつきながら叫んだ。

「風ノ助! 今すぐ海へ行ってくれよ! このままだと俺たちはダチ共々全員死ぬぜ! おお、これ、美味いぜーーーー!」

「?!」

 

 俺は椀を持って、海の方へと駆け出すと、全ての海賊船が浜辺へと急接近していた。海賊船の砲門は全部……開いてる?!


「全船砲撃開始ー! 撃てーーー!!」

「撃てーーーー!!」

「城ごと破壊しろーーーー!!」


 巨大な砲弾があっという間に豪雨のように降って来くる。

 

「うわわわーー! 風よ!!」


 俺は宙に舞い。

 本丸を守るために暴風を呼んで、お城を包み込むような竜巻を発生させた。


 ドゴ―ン!!

 ドゴーーン!!


 凄まじい爆音を発し、竜巻によってお城の両脇へとそがれて御裏林や広瀬川に向かう断崖に砲弾が無数に落ちていく。


「風ノ助くんー! 頑張れーーー!! 君が駄目だとクラス全員ここで終わりだぞーー!!」


 遥か下の楠田先生は、椀を持ちながら必死にエールを俺に送っている。


「うおおおおおーーーー!!」


 俺も必死に竜巻を発生させた。

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