第30話

「いや、風ノ助くん。……まだ、その力は……潜在能力を目覚めさせないといけないし、子供の頃を思い出してごらん。それに……残念だけど、そんなに大したことはないんだね」

「う?!」

 ……俺って……? 焦ってしまうぞ……。


「なあ、風ノ助。台風が起こせるんなら、それはそれで強いんじゃねえ?」

 煤野沢の一声。

「風使いってな、俺でもできるんですか? 先生?」

「いや……風ノ助くんだけだよ。だから風を操れるから風ノ助と名付けられたようだ。風ノ助くんの祖父とは仲がとても良くてね。そう……遥か昔からね」

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