第31話
楠田先生は無言でカリカリと襖へ書いていった。
それは、台風が中心になって方々へ海賊船が散らばるような図になった。
「うん?」
俺はただひたすら唸る。
「先生! 質問です!」
立夏ちゃんが挙手した。
「ああ。いいよ」
「先生の図では、真ん中にも海賊船がたくさん集まっています。それでは陽動作戦の意味がありません!」
立夏ちゃんは鋭い。
「うん。そうだね。その通りだね」
カリカリ。カリカリ。
「よしっと。これでいいんだ」
楠田先生は手についたチョークの白い粉をパンパンと叩いた。
「う! ピキーン!!」
真ん中の海賊船は……そうか! 全部が大型の海賊船だ!
そうだ! クラスのみんなを助けるため小型船だけ蹴散らそうということだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます