第24話

 ガキ―ンという音と共に無数の巨大な弾を跳ね返していく。


 でも、ちょっとキツイ!

 腕が痺れてきた。

 誤算だった! 

 なんせ大砲の弾が重い!


「風ノ助くん。無茶をするな!」

 前方から楠田先生の声が聞こえた。


「大丈夫! 本丸までやってやらー!! みんなは早く本丸まで泳いでくれ!!」

「だから、無茶をするなって……」

 楠田先生の呆れた声と同時に、ガコーンと大きな音がしたと思ったら、遥か後方の小型の海賊船で大砲が三つも火を噴いていた。大火事になったようで、幾つもの海賊船が大騒ぎだ。


 前方から矢が物凄い勢いで海賊船へ放たれていた。

 よく見ると、家来から譲ってもらったのだろう。

 かなり大きな弓を楠田先生が引いていた。


 矢は音速を超えるかのようなスピードと照準を的確に合わせたかのような命中率で大砲の筒の中へと吸い込まれるように入って行く。


 大爆発の轟音が後方から俺たちに向かって、立て続けに鳴り響いていた。


「やったな! 風ノ助くん! 君のお蔭で助かったよ!」

 楠田先生の笑顔に俺は即座に首を振った。 


「いや、先生のお蔭で……」

「そうでもないよ。君が大砲の弾をはじいてくれていたお蔭で、こうして一矢報えたんんだよ。さあ、本丸まで泳ごう! みんなはきっと大丈夫!!」

「おう!」

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