第21話

 見ると、楠田先生も俺と同じような剣術を使っている。けれども、幾らか俺よりも綺麗な斬り方だった。何故だろう……? 


 煤野沢の方は……本当に剣術を知らないようだ。

 ただ、藪から棒に刀を振るわけではなくて、とても綺麗に野郎どもを斬り伏せていた。


「だー! 黒髭様!! こいつら物凄え強いですぜー!」

 野郎どもが叫ぶ。

 俺の家来たちも強かったが……!?


「へ……!」

 黒髭だって!?

 俺は黒髭と呼ばれた海賊を知っていた。

 では、副官が黒髭で、この倒れている海賊の頭は一体?

 船長と呼ばれているけど……?


「仕方ない! 野郎ども! 本船にこのまま一旦引き返す! ベンジャミン・ホーニゴールド船長に報告だ!!」

「へ??」

 黒髭と呼ばれた男の声に、俺は首を傾げた。


 ベンジャミン・ホーニゴールド?

 えーっと、確か……?

 

 うーん……?

 なんだったっけ?


 あ! 歴史上の大海賊の名だ!!

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