第20話

「しまった! 船長がやられたー!! 野郎ども! こうなりゃ、こいつら皆殺しだー!」


 ひょろひょろの冷たい顔の副官が船室から走って来た。

 どうやら、この船を操縦していたのだろう。

 あるいは、他のことをしていたのだろうな。

 

 クックッと、笑い。刀を振り回している煤野沢の余裕の顔を見ながら、俺は冷や汗を掻いていた。なぜなら海賊船は進路を沖から凄い速さで離していたからだ。


「本船に戻る前に! すぐに始末しろー!」

 大声を発した副官は手にはサーベルとピストルを持ち、そして、野郎どもが一斉に俺たちを囲んだ。


「よっしゃー! 家来どもー! こっちも皆殺しだー! みんなは本船にいるみたいだぞーーー!!」


 俺はそう叫ぶと、刀を振り回し、野郎どもの肩から腰までを次々と袈裟斬りに、胴は刀身を押し当てて引き、兜割りはジャンプして振り落とすと、男たちは盛大に白い血をばら撒いていく。


 うん……?

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