第17話

「あ、風ノ助くんの朝ごはんはもうないわよ! 煤野沢くんが食べちゃったの! ……厨房にはまだあるかも」


 立夏ちゃんが山盛りのご飯片手に言うので、俺は向きを変えた。

 このお城の厨房へと一目散に駆けだした。


「うおおおー!!」


 前方に厨房らしきところを見つけて、俺はひたすら走った。


 途中、厨房の入り口付近で家来が数名。

 俺にしがみつく。


「政宗さま!」

「政宗さまー!」

「政宗さまー! きゃつらが、来ましたぞー!」


「飯ーー!! 無視だ! 俺には朝ごはんがどうしても必要なんだー!」

 俺は厨房へ飛び込み。女中をどかしどかししながら、奥の大きな鍋に頭ごと突っ込んだ。

「美味い!! このなんだかよくわからない味に匂い! そして、歯ごたえに舌ざわりのなんと奇妙な! じゃ、行くぞ!」

 鍋の中身を全て食べ終えると、俺は一目散にお城の外へと家来を連れて飛び出した。


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