第14話
リラックス効果のある立夏ちゃんに会いに行こう。
クラスの友達を助ける前に立夏ちゃんに会いに行こう。
楠田先生の強さはひょろひょろとした男よりも強かったみたいだ。今のところ海賊たちは海賊船へ逃げている最中だろう。本丸も無事。家来たちがいるし。
あ、でも。楠田先生の長刀はなんだかおじいちゃんがよく使う長刀と似ているな。
そんなこんなで俺は再び大広間に着いた。
さらわれたみんなは大丈夫だろうか?
煤野沢を除いて、俺たちは全員揃った。
「さあ、ミーティングやるぞー」
楠田先生は海賊のことなんて忘れているかのような口ぶりだ。一呼吸置いて先生は言った。
「この時代の胸騒ぎの原因がわかったかも知れない……」
「え……?」
「三つの時代が混ざっているんだ……」
「ええ……?」
俺たちは耳を疑った。
そういえば立夏ちゃんも豊子ちゃんもこの世界に胸騒ぎを覚えているのかな? それに、楠田先生はいつ頃そんなことがわかったんだ?
「まず海賊の最盛期は1660年から1730年頃で……」
楠田先生はポケットから取り出したチョークで、一番高そうな金の松を模した襖に書いていった。
「海賊は、海賊のいるカリブ海に植民地を持っていた西ヨーロッパや北アメリカと戦って消えていったとされているんだね」
カリカリ、カリカリ。
楠田先生は授業を始めた。
「ふむふむ……」
「そして、今の時代が1661年だ。つまり、現代と1661年と伊達政宗の生きていた時代とが……」
カリカリ。
「うん?」
「先生! どうして今が1661年だとわかるんですか?」
豊子ちゃんが挙手した。
大広間の外は、急に真っ暗になって大雨が降り出した。
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