第2話

平行世界研究者の中ではまことしやかに議論されている説がある。

レコードに触ることで動き出す世界は生命に例えられるのではないかと……

例えば目という器官はその平行世界が単独で別の平行世界を観れるようになったとき発生するのでは?と

食事とは別平行世界を征服して自分のものにすることに例えられるのではないかと

まあ、その議論は後々詳細を語るかは分からないが文学者の目には留まった

どのような世界を内包する平行世界が美しいかそれを人に動物に植物に果ては菌類まで全ての生き物に例え、とても楽しんだそうだ。

そして、今回手入れをする平行世界1253号線"目撃!毒親家族"の平行世界はとてもいびつだった。

私たちはこの赤ん坊の平行世界を立派な大人にしなければならない。

今は例えるならばそうまだ目の無い赤ん坊……

そう……私たちはまだ一万もの平行世界赤ん坊をお腹に抱えた妊婦の世界なのだ……

「一万とか……俺らの世界は人間じゃねえ気がするな」

「母なる海……だと喜ばしいな」

「地球か?俺ら……」

「目標としては1253号線の政治的、社会的混乱の修正、平行世界観測の技術は作るか?それとレコード操作子供を作るの技術はどうする?」

「私たちはその技術まで教えるべきかしら」

「教えなければ見る平行世界観測事は出来ずにこの平行世界の人間は生きることになるな」

「視覚障害か……」

「私たちが忘れなければ触れる生きている平行世界に関わることはできる。私は死んでいるかもしれないが、私たちの世界の歴史学者がこの平行世界に人間が生きのびていたら忘れずに指導をするかもな」

ここで一つ混乱を招かないために注釈をしておこう。

平行世界に触れる手入れをすることと平行世界を増やす子供を作ることは違う。

平行世界に触れるとは動いている(生きている)平行世界に関わるということだ。

平行世界を増やすとは平行世界の過去(レコード)に入り動かし新たな世界線を作るということだ。

文学者が白熱した議論を重ねたため平行世界管理者の中ではこの言葉遣いは常識になっている。

「子供の世界を多量に作らせると後の管理が私たちみたいに大変になってしまうわ……」

「そういった指導も必要になってくるか」

「それよりも1253号線の社会情勢見てます?」

「ああ、やばいよな……」

1253号線の日本はやばかった……

一時の毒親ブーム(私たちの世界の映画のせいではあるのだが)のため法改正が起こり親になるには資格試験が必要になっていた。

また、毒親本も多量に出たため、ちょっとでも家族と合わないとなるとすぐに縁を切るそんな社会になっていた。

核家族すら崩壊していたのだ。

「核すら崩壊……文学者の中には核分裂と言っている人もいましたね……」

「さすがに後味が悪すぎて……」

こっちの世界と比べたらほんとにやばいくらい人間関係が荒廃してるもんな」

「まあねこっちはみんな仲がいいからね」

「私はちょっとつらすぎて見てられない……この子たちは幸せになれるの……?」

「我々の世界を見てどう思うかも怖いしな……」

「通常であれば2100年にレコードを見つける」

「この平行世界は2022年。私たちの世界の映画のせいでどれくらいの歪みがあるのかしら」

「まずはこの世界の被害者の身の回りを良くしていきましょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る