世界線映画のアフターケア

mikotonosora

第1話

西暦2100年

世界は世界のレコードを見つけた。

そして世界のレコードの人間の意識にアクセスし、操作することで新たな世界線が作れるということも分かった。

その技術が熟して行われるようになったのが、レコードを使った映画の製作だ。

―――我々は映画の世界に生きている。―――

日夜このレコードのかしこで撮影は続く、何度も世界線を作り撮り直しながら。

ただ、誰も知らなかったことがある。

―――レコードで生きる人は生きている―――

これは、我々の活動、暖かい映画を撮ろうもう悲劇は沢山だの活動履歴である。


場所――新宿スタースタジオ2F

「はい。今回は1253号線の渋谷。2155年制作"目撃!毒親家族"の現行で動いてる世界線のアフターケアです」

世界線は現在、管理しているだけでも1万はゆうに超えている。

今回は割と初期に作られた映画の平行世界の改修だ

初期の映画製作では大体の平行世界は後の管理が面倒であると同時にこちらの世界線に来られてクレームをよこされてはたまらないのでこちら側に来る前に核戦争を起こし人類を滅亡させていた。

初期の時代の製作方法としては、主演、助演は役者によって現地民の主役設定の体を乗っ取り行い、撮影範囲内にやってきた人間はモブスタッフが操作していた、また、同一の平行世界で何本も映画を撮っていた。時代設定を変えるためにAIを駆使し人々に同一の思想を与え世界観を独自のものに作りこんでいた。撮影方法は別次元でカメラを構えたり、脳を活用して一人称視点での映像を活用したりしていた。

また、撮影の際に意図しない行動をとる者を撮影障害者と認定し、発達障害、知的障害、精神障害のカテゴリーに閉じ込め、隔離していた。

そう、全てはレコードから生まれた平行世界に魂は存在しないと学者が判断していたからである。

おかしいんじゃないのか?と気づいたのは、859号線。

核戦争へと向かうAI処理をしていたところの反発勢力の発生だ。

彼らを障害者のカテゴリーに封じようと制作側は手を尽くした。

しかし、彼らの一部は影響力を持った。

AIや手作業での思想誘導に逆らい影響力を持つもの彼ら彼女らの存在を業界ではと呼んでいる。

まるで、必死に生きているかのようなその行動を我々は見て

と思い至った。

とも議論された。

そして我々はを始めたのだ。

「うへ―……毒親家族……見たことあります。日本制作でかなり物議を醸しだした平行世界ですよね。まさに地獄。地獄の撮影会場だったと記憶しています。」

僕はため息をつきながら言った。

「こちらの事情も考えてもらってノーネームで活動許可をもらった。アレがいる世界だからな……」

所長が淡々と話す。

「アレとは?」

「特異点。だよ。」

「!!!!!!!!」

「特性としてはネームキャッチャー。名前を手掛かりに演者を特定する。この映画の平行世界は名前で遊んでいたから、演者の履歴を辿られてる……」

「はぁー天才っすね……」

「そう、天才。私たちにとっては天災だよ……」

「さてと、お仕事しますか!」

「同時多発的な地獄だったから、かなり大変だぞついてこい!」

僕らは、パソコン画面を操作し始めた。

――mission utopia―――

開始

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