第5話 記者会見の中で

記者会見を開いた。


天皇自らが記者会見を望む事などそう多くはない。

もちろん、首相たちが最初に言い出したことだが、私もずっと思っていたこと。

すぐに準備をさせた。


マスコミには一切情報を漏らしていなかった。

私の口でまず説明したかったからである。


国民に死ねというのだ。

その責任は天皇である私がとる。


80歳人生定年制度


日本国民は、80歳の誕生日を迎えた次の日に死んでもらう。

もちろん、痛みなく死ねる薬の開発は済ませてあった。




記者会見5分前・・・



天皇が急な会見を開くということで、国民は画面の前で様々な感情を持ち合わせていた。


天皇辞めるのかな?

引退?

病気?

何?


憶測や噂が飛び交うなか、会見が始まった


天皇『皆様に、お伝えせねばならないことがあります・・・。ご存じの通り、日本はもう半世紀以上前から高齢化社会に悩まされております。医療の進歩で平均寿命が延びたことは嬉しいことですが、それが負担となり、高齢者を支えるため若者が大変な負担を強いられる世の中になりました。負担の中生きることだけで精一杯になった若者は子供を作らなくなりました。いえ、作れなくなったのです。この問題を放置し続けてもう何十年になりましょうか。私は、自分の天皇としての最初で最後のお願いをしたいと思います。皆様。80歳の誕生日をもって人生を終えて下さい。これを国民の義務の一つに追加したいと思います。私ももうすぐ80歳。死ぬ覚悟はできています。』


一方的な話だった


何も知らない国民にはどう映っただろうか


80歳いじょうの方々は明日死ねといっていることになる。

受け入れてもらえるのだろうか


不安な気持ちを持ちながら会見を続けた



会見の途中、一つの輝きが見えた



あ・・・



星だ?



綺麗



パァーーーーン



星だと思っていたものは弾丸だった


私をめがけて発射された



厳重な警備の中で行われたため


SPのものたちが弾丸から私を守ってくれた




いや・・


守らなくていいのだ



私はもう覚悟はできている



それでも・・



私は混乱の中会見を終えた。

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