第2話
中学生になってから、毎日彼の家族と夜近くの公園まで走りに行っていた。
私が返事をした後、彼の親や兄妹達が来なくなり二人で走る事が増えた。
皆で走るのが好きだったから少し寂しい気持ちもあったけど、残り少ない時間を2人で過ごせるのは嬉しかった。
付き合った後初めて2人で走った日、
「手繋ごう?」
と耳まで真っ赤にしながら彼が言ってくれた。
恋人繋ぎじゃなくて普通に繋いだだけだったけど、言ってくれたことが嬉しかった。
無言で手握ってくれてもいいのにとは少し思ったけど。
そして付き合って初めてのクリスマス。
彼は受験生だから、クリスマスデートは出来なかった。
受験終わったらその分いっぱい遊ぼうって言ってたから寂しい気持ちはあったけど、春休みが楽しみだった。
でも、初めてちゃんとしたデートが出来たのは1年後のクリスマスだった。
私が中学二年生、彼が高校一年生の時の夏休みは、彼の部活が忙しくこっちに戻ってくる事が出来なかった。
中学生の私が1人で福井に行く事は許されなかったけど、タブレットを買って貰えたからLINEができるようになった。
追加してからは毎日話した。
私が母の実家に帰省している時も夜電話をした。
声を聞くだけじゃもの足りなくて、凄く会いたくなった夜もあった。
彼は奥手な人だからなかなか大好きや愛してるを言ってくれなくて、でも私が寂しくなってる時は察して言ってくれた。
だからなかなか会えなくても、デートに誘うのが毎回私からでも、満足してた。
いや、満足してるって自分に言い聞かせてたのかもしれない。
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