Epi76 疲れを癒させるお嬢

 お姫様抱っこ。まあ慣れたもんだ。時々朝起こす際に抱えてるし。でも重い。

 部屋に連れて行き、ベッドに勢い転がすと目覚めたようだ。


「直輝。もっと優しく!」

「葉月はこれで充分だろ」

「充分じゃない。もっと力強く揉みしだいて、しっかりねじ込まないと」

「趣旨が違ってるぞ」


 疲れたとか言ってるが、今日はしっかり休めばいい。


「直輝」

「なんだ?」

「脱がして」


 くそ。自分で服さえも脱がないのかよ。いつもは速攻でまっぱの癖に。

 仕方なく服を一枚ずつ剥いでいく。これ、脱がすのもまた興奮するなあ。


「下着はそのままでいいな?」

「駄目。全部」


 いつも通りに、と注文付けてきやがる。

 已む無くブラもパンツも剥いでいくと、まあ、丸出しの葉月が居て、せっせと誘ってくる。だが、今日は俺も疲れたからな。葉月の相手はしない。

 シカトしてたら。


「なおきー」

「なんだよ」

「掘って」

「ねえんだよ」


 アホすぎる。

 夕飯の前にまた服を着せて、ずるずる引き摺ってダイニングへ。椅子に腰掛けさせて、両手にナイフとフォークを持たせ、準備万端。

 奥様と大奥様が苦笑してるがお構いなしだ。

 旦那様と大旦那様は財界の連中とお付き合いで、今日は帰宅できないらしい。あのヒキガエルどもとお付き合いとは、大変だなあ。


「葉月ちゃん。今日は楽しめたの?」

「不完全」

「まあ、どうして?」

「うふふちゃんがメインだから、あたしが楽しめなかった」


 ならば次はふたりっきりで、デートして来ればいいとか言ってる。


「ラブホでもいい?」

「まだ少し葉月ちゃんには早いかな」

「いつならいいの?」

「高校卒業したら好きにしていいからね」


 長すぎるとか、わけわからんこと言ってる。残りいくらも無いだろうに。


「じゃあ、向後さんが葉月を愛してくれたら」

「直輝。愛して欲しい」

「あのなあ」

「まだ無理そうね。一応期待はしてるから」


 期待しないで欲しい。葉月に魅力があるのは理解してる。見てると欲しくなるほどに、いつでも抱き締めたくなる衝動に駆られるし。でも俺は相応しくない。

 もっと相応しい相手がいずれ見付かるだろうよ。今は高校生だから、視野も狭いし付き合いの幅も限られてるからな。社会に出れば視野も広がるし、付き合いの幅も様々だ。


 食事が済むと葉月を連れて部屋に戻る。


「脱がして」

「へいへい」


 また全裸に剥いてベッドに転がしておく。

 まったく、どこまでも無防備だ。だから足を広げるな。丸見えなんだよ。


「はしたないぞ」

「直輝が入れてくれたら閉じる」

「ねえんだよ」

「チ〇コ出せば自分で入れる」


 出さねえっての。


 暫く放置してたらそのまま寝息を立ててるし。風邪ひくっての。

 毛布を掛けてやり俺は椅子に腰かける。寝てる葉月はマジで可愛らしい。俺の身分がもう少し高ければ、もっと葉月に対して積極的になれたかもな。

 所詮は執事。どう足掻いても同じ土俵に立てるわけが無い。


 あ、そうだ。風呂。


「葉月。風呂入りに行くぞ」

「入れて」

「なにを?」

「チ〇コ」


 アホか。風呂に入れてって意味かと思ったが、やっぱそこは葉月だった。

 バスローブを纏わせ風呂場に抱えて行く。最早自力で起きる気も無いみたいだ。全部俺任せ。ほんと、これこのまま蹂躙したくなる。しないけどな。

 風呂場に連れて行くとバスローブを剥いで、もう慣れたけど、いや、慣れ切れるもんじゃないぞこれ。それでも体を洗って。


「直輝。ここも」


 ここもとか言って股を開くな。こっちは我慢の限界だっての。

 全身俺に預けて洗わせる変態だ。葉月の感触が。

 湯船に浸からせるが支えてないと溺れそうだし。已む無く支えていると、手が伸びてきて、だから握るなっての。

 疲れてる癖に性欲だけは人一倍あるんだから、困ったもんだ。


「直輝」

「なんだ?」

「先っぽだけでもいい」

「無いんだよ」


 髪も洗うのだが、子どもの髪を洗う時と同じく、膝に葉月の頭を乗せて洗う。


「当たってる。後頭部に」

「どうにもならん」


 だー。こいつ、向き変えて顔面が下向いてるし、これはこれでいい。じゃねえ。


「洗いにくいから上を向け」

「やー」


 あかん。食われてる。

 抗えず葉月のなすがままに。で、すっきりしたところで、風呂から上がり葉月の体を拭いて、この場で髪を乾かしヘアセットして、バスローブを纏わせ部屋に抱っこして行く。

 ベッドに転がすと。


「マッサージして欲しい」

「顔か?」

「違う。足とか腕とか背中とかお尻とかあそこも」

「一か所違うだろ」


 明日に疲れを残さないよう、マッサージして欲しいと煩い。

 オイルを用意し足と腰を中心にマッサージする羽目に。


「股間もしっかりやって」

「そこは違うだろ」

「性感マッサージ」

「ここは風俗じゃねえ」


 ネットの如何わしいサイトで知識を得てるんだろう。未成年者でも気軽に閲覧できるからなあ。俺も見てたし。

 それにしても、オイルマッサージって。

 これ、嵌りそうだ。


「直輝。せっかく元気だから入れて欲しいな」

「やらんって」

「使えばいいのに。遠慮しなくていいんだよ」

「やらんからな」


 結局、全身マッサージに。

 股間が爆発しそうだ、なんて思ってたらまたしても食われた。


「元気だったから」


 いいように遊ばれてるよ俺。

 こんな爛れた関係は本来あってはならない。なのに流される俺って、つくづく意志薄弱だよなあ。なんか自己嫌悪に陥りそうだ。


 午後十一時には完全に寝入ったようだ。

 やっと解放された。


 俺も休もう。さすがに疲れ切った。美桜ちゃんを背負って階段降りたし。葉月には食われてるし。

 ベッドに入り込み葉月の寝顔を確認して寝る。

 寝息を立てる葉月を見てると、愛しくなるもんだな。頭を撫でてるとにやけるし。実は起きてんのか?


 翌朝になるといつもの元気いっぱいの葉月が居た。


「直輝。まだ寝てるの?」

「さすがに昨日は疲れたからなあ」

「じゃあキスする」

「しなくていい」


 無理やり起きて身支度を整え、葉月の身支度も整えて朝食に。

 食事が済み部屋に戻ると、葉月のスマホにメッセージがあるようだ。


「うふふちゃんだ」

「なんだって?」

「直輝にお礼言いたいんだって」

「礼なんて要らんだろ」


 メッセージはふたつ。もうひとつは。


「かおりんも会いたいって」

「昨日一緒だったじゃねえか」

「用件あるって」


 まさかとは思うが、あれじゃねえだろうな。

 もし許可を得たとかだったりすると、あいつとしなきゃならんのか?

 失敗したかも。

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