モフらーVRMMO譚

43.第三の町、スードへ

　今日もログイン。

「みんな、おはよう」

「「「おはよう(わふ)(ホー)(めぇ)(ガル)」」」

　昨日言われた通り、第三の町のスードへ行く予定だ。

　問題となるのはやはり道中とボス戦。

　俺が戦うとデスポーン、つまりパーティ全滅なのだ。

　ツヨシやミヤモトさんなどのフレンドさんに手伝ってもらうのはありだとは思うけど、次の街へ進む時に毎回手伝ってもらうのは相手に申し訳ないと思ってしまう。

　幸いに精霊たちやクロが戦闘力高いようなので、情報をしっかり集めて対策すれば俺たちだけで大丈夫だと思いたい。

　掲示板を開いて…『フィールド攻略スレ』…これかな？えーっと、セコンドの東にある沼地を抜ければスードに着くのか。

　海に行くだけであれば沼地のフィールドボスを倒さなくても、大きく遠回りすれば行くことが出来るのか。ただ、どういうルートだろうと町に入るルートには何かしらのフィールドボスと戦うことになるから、ほとんどのプレイヤーは直線で行く、と。これは調べないと知らなかったことだな。

　今回の目的は町ではなく海に行くことだけど、海っていう性質上、魚釣りやらイベントやら何やらで何度も行きそうだから、スードをワープ設定しておきたいな。

　そして肝心のモンスター情報は…カエル系か。雑魚は50センチくらいのサイズのデカいカエルで、ボスのオオガエルは2メートルサイズ。

　毒などの特殊攻撃が無しだが、物理が効きにくい体質に注意と。

　ふむふむ、見た目と物理が効きにくいこと、あとは沼地だから足元のぬかるみに気を付ければ大丈夫そうだ。

　弱点が揃って火属性だから、ちょうどセキが活躍出来るだろう。

　朝食を済ませ、クロと2人でセコンドへ。

　まずは突破出来るかが知りたいので、他の子達はお留守番だ。あと、ズラクは機動力の問題で連れてきていない。

　なるべく戦闘せずに通り抜けたいので、機動力のあるフェルとククが周りの雑魚カエルを牽制して、その間にセキに乗った俺たちが走り抜ける。採掘ポイントだけ立ち止まって他はスルーしたことで、ほぼ戦闘は起こらずあっという間にボスエリアに。

　深緑色のデカいカエルが現れた。

「よし。じゃあ予定通りクロとフェルが前衛、ククがサポート、セキが攻撃を頼む。足元に注意な」

「わかった、アニキ」

「わふ」

「ホー」

「ガル」

　クロとフェルが交互にターゲットを取って、ククが闇魔法でバフとデバフをかけてサポート。弱点の火魔法を使えるセキがひたすら攻撃。

　特殊行動などもなかったのでパターンに入り、何事もなく撃破。

　セコンドへ行くためのボスが強かったのか、今回のボスが楽だったのか。

　いや、俺はほとんど動いてなかったから気にならなかったが、泥に足が取られて動きにくいし、体力そのものが多いのか、火魔法が使えても時間がかかったから、火魔法が使えないパーティだと苦戦していたのかもしれない。

　とりあえずスードへ到着！

　精霊たちは沼地で汚れてしまったため非実体化している。

　門を潜り、町の様子をみる。

　おー、この町は始まりの町、セコンドの2つに比べて規模が大きいな。規模に比例して人も多い。ふむ。近くに海があるからだけでなく、小さな闘技場があるのか。プレイヤーだけでなく現地人とも戦えるみたい。俺は見てても分からないから興味はないかな。それよりも食材やお店から漂ういい香りの方が気になる…！

　が、先に噴水でワープ登録っと。

「アニキ、そんなに食べたいなら買ったら？」

「な、なんでわかった！？」

「見ればわかる」

　呆れた目で見てくるクロと2人で気になるものを買って半分こしながら少し散歩してから海を見に行く。

「これが、うみ？ぜんぶしょっぱい水？」

「あぁ、そうだよ。」

　砂浜に立ち尽くすクロ。湖とは違って向こう岸は見えない、どこまでも続く海は、知識としては知っていてもインパクトはあるようだ。

　断崖絶壁で泳げないタイプの海だったらどうしようと思ったが、普通にバカンスできる海で一安心。

「よし、ボス戦も特に問題なかったし、みんなを連れて来れるね。」

「うん、あいつらにも見せてやりたい」

　起こるであろうイベントは、みんなで来た時でいいだろう。

　明日みんなをワープ登録しにスードへ連れてきて、明後日にみんなで遊ぼうか。

「さて。確認できたし、帰るよ。泥だらけのフェル達を洗わないと」

「わかった」

　家の庭へ戻り、水でフェル達の泥を大まかに流す。

　手洗いで泥をきちんと落とし、タオルで水気を取って、風魔法の殺傷能力のない温風を起こして乾かす。

　ん、これで終わりっと。

　泥を落としたりしないといけないのは沼地の不人気に繋がっているんだろうな。

　装備は汚れるし、落とすのは面倒だし。

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　お読みいただきありがとうございます。

　もはや戦闘描写は超簡略に。戦闘シーンを期待している人は特にいないでしょうし、私もうまく書ける自信がないので…。

　あ、累計100K PV。つまり、10万視聴行きました…！まだ40話ちょいなのに、すごい数字です…！ありがとうございます！