42.湖でのんびり

 今日もログイン。


「おはよう、みんな」

「「「おはよう(わふ)(ホー)(めぇ)(ガル)」」」


 予定通り今日は昨日の湖へピクニック。

 お店もおやすみで、従業員のみなさんには自由にしてもらう。

 動きやすい服装をした子どもたちを連れて大通りで買い食いしながら外へ。


「じゃ、クロと俺がフェルに。シロ、シャル、ニナはセキに乗ってくれ」


 昨日確認した通り、ここに出る魔物はスライムのみで、ほぼ危険がないため、男子、女子で別れてフェルとセキに乗る。セキの方が乗り心地がいいので、女子をそちらに。


「わわっ!?はやーい!」

「振動も控えめにして走ってくれてるのでしょうか…楽ですわ」

「ん…適度な揺れが心地いい…すや…」


 セキの乗り心地は保証しているからな。

 フェルの場合は大きさの割には細く、俺が身体にしがみついて、俺にクロがしがみつく形にするのが安定するな…。

 まぁ狼型だから人を乗せる適性はないだろう。仕方ないことだ。


 そんなこんなで湖に到着。


「ふわぁ〜!」

「すごい、綺麗」

「綺麗ですわ〜…」

「ん…キラキラしてる…」

「ホ〜!!」

「めぇぇ!」


 子どもたちも、昨日は来れなかったククとズラクも感動している。

 うんうん、この景色には目を奪われるよな。

 ん〜、と身体を伸ばしてからレジャーシート代わりのシートを敷く。


「ほら、おいでー!座って景色楽しもう」

「「「はーい!」」」


 胡座をかいていると代わる代わる子どもたちや精霊たちが座り込んでくるため、髪や毛を梳きながら談笑してのんびりと時間が過ぎていく。


「そろそろお昼にしようか。」


 サンドイッチがたくさんの弁当を取り出す。


「わぁ、たまご〜♪」

「カツある…!」

「ふふ、ハムレタスですわ」

「ん、ジャムクリーム…」


 色々と好みが別れてるから、たくさん種類作ったが…ニナよ、クリームのやつは甘いから普通最後じゃないか?


「「「ごちそうさまでした!」」」


 ご飯を食べ終わると釣りの用意。

 釣れても釣れなくても雰囲気が楽しめればいいや。

 みんなにお手製釣竿と餌を渡し、のんびり釣りタイム。

 そういや釣りスキルなんてものがあったか。せっかくだし取得しておこう。

 さて、釣れるかな?


「アニキ、水に入って捕まえた方がはやくないか?」

「クロにとってはそうかもしれないね。でも、俺はそんなに上手く捕まえられないだろうし、こういうただ待ってる時間っていうのもいいものだよ」

「ふーん、そういうものなのか」

「わたくしは外でこんなのんびり過ごせるのが新鮮でいいですわ!街の外なのに!」

「そうだね。スライムは強くないし、何かあれば精霊たちが対処出来るだろうからね。他の人じゃなければ大変かも」

「水、いっぱい、初めて見た」


 おっ、竿に重みが!勢いを付けて一気に振り上げる!


 バシャッ


「「「おー」」」

「初魚ゲット〜!なんだろ…お、アユ、かな?」

「食べれる?」

「あぁ、食べられるぞ」

「わーい!」


 そこから2、3時間ほど釣りを楽しんだ。

 アユ、ウグイ、マス、イワナなど色んな淡水魚を入手。

 …川じゃないけどまぁゲームだから細かいことは気にしないとして。


「アニキ、釣り、楽しかった」

「そっか。よかった」


 子どもたちはもっと体を動かすようなものが良かったかなとも思ったが、楽しんでくれたようだ。


 ひと段落したからか、ウトウトし始めた子どもたち。

 ほどよい気温に、心地いい日差し、そよ風でご飯食べた後だ。のんびりした空気と相まって昼寝にちょうどいいんだろう。

 俺もちょっとくらい寝てもいいかな…。

 だんだんと重くなってきた瞼を閉じた。


『…むっきー!なんでようやく水関連のとこにきたのによりにもよってあのなんにも無い湖なのよ!これじゃあ適当に理由つけてこんにちわ出来ないじゃない!せめて祠の湖であれば…ブツブツ…』


 …?目を開けられないが、なにやら呟きが聞こえる。


『とにかく1番簡単なのは海よ!早く次の街行って海に行きなさい!まったく、のんびりしてるのはいいけど私が関われなかったらつまんないじゃない…ブツブツ…』


 夢…にしてははっきり聞こえるんだよなぁ。まぁいいか。こういう「普通じゃない」のはだいたい検討がついてるしな。

 了解ですよ、と。


『え、アンタ意識あんの!?無意識に語りかけて誘導するはずじゃ…えぇ?なんなのよ…』


 いや、そんなこと言われても…。誘導とか普通に怖いんだが。


『まぁいいわ。そんじゃ、また会いましょう』


 気配がなくなるのを感じると目が開く。

 ん、そんなに時間は経ってないな。夢なのか何なのかはよく分からないからミィさんに丸投げして、次の予定は決まったな…。


 幸せそうに寝ている子どもたちや精霊たちを眺める。精霊たちを抱き枕にしたり、寄り添いながら寝てたり。うん、見てて幸せになるな。記念にスクショをパシャリ。

 ほっこりした気持ちでミィさんにさっきのことの報告するべくメニューを開いた。




 ーーーーーーーーーー

 お読みいただきありがとうございます。

 まったり、のんびりと。前回作ったいかだ、出番無しでしたね。

 そして夢?の中で語りかけてきた存在とは…!?

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