39.セキの乗り心地と顔合わせ
さてと。昼食を取り、セキの乗り心地を確かめるため草原へ向かう。
「おや、もふたくん。また新しい子かい?」
いつも通り門兵さんが話しかけてくる。
「はい。セキっていいます」
「いやー、今度は大きいねぇ。もふたくんが大きい魔物連れていてもみんな特に気にしなくなったものだね」
「そうですね。フェルが大きくなったときは大変でしたよ」
「おっと、引き止めてしまったね。今更言うことでもないが、気をつけるんだよ」
「はい、ありがとうございます」
門から離れ、草原を進む。
「よし。じゃあセキ、乗らせて貰ってもいいか?」
「ガルル」
セキから了承を受け、上に乗る。
フェルがいるから魔物の心配は大丈夫。
「お、おお…!!なんだこれ、ソファみたいだな…!すげぇ柔らかい…!」
動物の上に乗ったことはないが、すごいな…!ちょっと不安定だからしがみつかないといけないが、密着する形になるからよりもふもふを堪能できる。
「じゃあちょっと歩いてくれ」
ゆっくりと歩き始める。おう、軽く上下に揺れる感じ…。酔いは大丈夫そうだ。
少し慣れればしがみつかなくても大丈夫になった。上体を起こし、足でセキのおなかを挟む感じだ。
楽でいいね。
「よし。じゃあ少しずつ速度を上げて走ってみてくれ」
歩きから早歩きに。そして走り始める。
4足歩行の走る時特有の浮遊感。見る間に景色が早く動いていく…ってはやっ!
慌ててセキの体にしがみつく。
流石に走る時は上体を起こす体勢ではいられないな。
ふー、思ってた数倍早かった。こりゃ街中で走らせる訳にはいかないな。迷惑だわ。
子どもたちを乗せられるだけの大きさもあるし、十分すぎるか。
フェルももう随分と大きくなって、子どもたちを乗せられるんだけど、フェルが早く動けなくなると守りがククとズラクだけになるから不安だったんだよなぁ。
「セキ、ありがとな。これから乗る機会が増えると思うけど、よろしくな」
「ガル!」
さてと、セキの乗り心地も分かった事だし、街に戻るか。
左右に大きな狼と虎がいる安心感がすごい。
家に着くと子どもたちがみんな揃っていた。
店の人達もいるし、顔合わせにちょうどいい。
「この子が新しいうちの子、セキだよ。仲良くしてやってね」
「でっかーい!」
「かっこいい」
「4匹目の精霊…すごいですわ」
「もふもふ」
「おおー、強そうだな!」
「そうだね。心強い」
「そうね〜」
「抱きつきたーい!」
うんうん、好評でなにより。
だれも怖がってないのが1番嬉しいな。
子どもたちはセキに群がり、店の人達は今日の作業を終わらせ、帰っていった。
自分がもふもふしてるのもいいけど、子どもたちがワイワイ精霊達と戯れているのっていいなぁ。
子どもたちと精霊たちの様子を横目で見ながら、セキ用のブラシを作る。短い毛だから、ブラシ部分は長い必要無いな。それで体は大きいからサイズは大きめっと…。
うん、こんな感じかな。
「みんな、セキ用のブラシ作ったからちょっと貸してね」
「はーい」
セキの様子を伺いながらブラシを試す。
目を細めて心地よさそうだな。調整の必要はなし。
「ん、ありがとう」
「ガルル」
セキのブラッシングが終わるとフェル、クク、ズラクが「次は自分たちの番」みたいな感じでブラッシングをねだってくる。
「よしよし、みんなやってやるからな」
存分に楽しんで夕食を用意したあとログアウトした。
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お読みいただきありがとうございます。
今回は実際に乗ってみる描写を書きたかっただけなので短めでした。
それとフォロワーさんが900人突破…!
最近伸びなくなってもうちょっと先かなーって思ってたのですが…ありがとうございます…!
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