30.改築と道具作り
今日もログイン。
「おはようみんな」
「おはようおにいちゃん」
「おはよう兄貴」
「おはようございますわ」
「おはようもふにぃ」
「わふ」
「ホー」
「め〜」
おう、だいぶ賑やかになったな。
みんなにあいさつし、朝食を食べたあと、オオコウさんの所へ行って素材と代金を渡すと、改築玉というものを貰い、それを家に使用すると一瞬で改築された。
玄関=商品のやり取りをするお店で、他のプレイヤーも入れる設定にした。
奥がキッチン。階段と奥の部屋が続いていて、階段を登ると部屋が4部屋。
あまり大きくはないが、俺の部屋、クロとユキの部屋、シャルの部屋、ニナの部屋。キッチンの奥には大きめの作業部屋と、倉庫。
お金はかかったが一気に広くなった。
「さてと。昨日の目的だった家の改築は完了っと。お前たちは何する?」
「俺は狩りにいく」
「私はポーション作り〜」
「あ…私は…何しましょう…お城では本ばかり読んでいたのですが」
「確かこの街には図書館があったな。じゃあそこに行こうか」
「はい」
「私は…何しよう…」
「ニナは孤児院で何してたんだ?」
「下の子のお世話と孤児院で栽培してる野菜のお世話」
「なるほど。ここだとお世話する相手いないもんな…。じゃあ色々やってみればいいさ」
「わかった。まずは勉強したいから図書館いく」
「俺も久々に調薬でもするか」
「一緒にやるのー?」
「色々試してみたいだけだからユキがやりたいなら別にいいぞ」
俺とは別行動の3人に弁当を用意し、渡すと、シャルとニナを図書館に送る。
「図書館では静かにな。喧嘩するのは…まぁ出来ればあんまして欲しくないが、してもうるさくするなよ」
「「はい」」
さてと。調薬だが、サチエさんは発想が命だと言っていた。
回復のポーションだけでなく、煙幕とか、魔物を引き寄せる薬みたいなのも作れるのだろうか。フェルやククが狩りをした素材がどんどんインベントリに溜まっているので、実験素材に困らないのが助かるな。
あ、ズラクには狩りの能力があまりなく、守り特化だったため狩りはしていない。見た目からして温厚そうだしな。
っと、話が逸れた。
まず作りたいものは、煙幕。
俺が戦闘出来ないから、まずは自分を守るため、というか逃げるための道具が欲しい。
えっと、なにが使えるかな…
このケムリソウ、これは絶対に使うよな。
なにが条件で煙が出るんだ?
切る、燃やす、叩く。叩くとボワっと少し煙が上がる。衝撃が条件かな。
ではこの煙の量を増やすためにどうするか…。
先程切ったものや燃やしたもの、更に冷やしたもの、複数個重ねて叩くなどして、試してみる。
ふむ。意外だな。複数個重ねて叩くのが正解じゃないかとアタリをつけていたのだが、一番効果が大きかったのは冷やしたものだった。
切ったものは煙が無くなるのがはやく、燃やしたものはほぼ煙が出なかった。
燃やすと煙を発する成分が無くなる…?
いや、冷やしたものが煙が多く出たってことは温度変化か。
燃やしたケムリソウの灰はもう使わないな。捨てるか。
「めぇ」
「ん、ズラクどうした?」
「めえぇ」
ケムリソウの灰を興味深く見ている。
「え、これ食べたいのか?」
「めぇ」
灰になったケムリソウをぺろぺろと舌で口に運ぶズラク。
身体に悪そうなんだが大丈夫なのかね…?
気を取り直して、次は煙玉の玉にする作業。
冷やしたケムリソウを複数個重ねて球にすればいいのだが、冷やしておく入れ物が必要だ。インベントリに入れておけば時間経過はないとはいえ、使う時に手に持ってることで温まってちゃ意味が無い。
衝撃を通すが熱は通しにくい素材…
流石にそんなものは無いか。
とりあえず魔物の皮を取り出していき、柔らかさと熱の伝えやすさを調べていく。
「よし、完成!」
「ポーションじゃないから手伝う余裕がなかったー」
「めぇ〜」
ロックリザードという魔物の皮が、名前の割に柔らかく、衝撃を吸収せずかつ熱を伝えにくくて使えた。
「あはは。まぁ作るものがポーションとは限らないからな。いつか手伝ってよ」
「手伝えるようにがんばるっ」
ふい〜、実験は楽しいけどやはり脳を使うからな。ズラクのもふもふの毛に顔を埋める。
おおぅ、この歓迎して優しく受け入れてくれる感じ。癒される〜。
夕方になり、図書館へ2人を迎えに行くと、真剣に本を読んでいた。
「ほら、帰るよ」
「あ、もうそんな時間ですか」
「もふにぃ。私、勉強したい。ここにまた来させて」
「そっか。了解」
暗くなる前にクロも帰ってきたので全員で食事をしてログアウトする。
ーーーーーーーーーー
お読みいただきありがとうございます。
新しいものを作る時はこういう実験して作る、という感じですね。理科の実験みたいで楽しそう。
ここしばらく忙しくて、更新できず、すみません。今日は時間を作って更新しましたが、また少し更新出来ない期間になります、申し訳ございません。更新できる目処が立ったら紹介文の【】内に追記しておきます。多分土日くらいになるかな…。
そしてその更新出来てない期間でフォロワー様が400人を突破してまして。ありがとうございます…!!
ほんと、モチベになるのでお読みいただいてる方々に感謝しかないです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます