28.翌朝のあいさつまわり(1/27 15:56あとがき更新)

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 んん…なんだか暖かい…。冬の布団のような誘惑が…。

 もうちょっと目を閉じたままウトウトしても良かったが、なんかこのまま堪能していちゃいけないような気がして重たい瞼を持ち上げる。

 あれ、いつもと違う天井…っとそうだった、キッチンで寝てたんだよな。

 身体を起こそうとして…固まる。

 視界の左下に金色が見え、さらに柔らかい感触があるからだ。


 え、えええ〜!!!いやなんで寝てんの!?それじゃ別々に寝た意味ないじゃん!!


「おい、起き…」


 起きろ、と言おうとした所に小さな寝言が被る。


「もふた…さま…」


 ……。はぁ。

 大方、寂しかっただかなんだかで潜り込んできたんだろう。


 左肘を布団につき、右半身を起こす形で横になる。右手でサラサラの金髪の上から撫でる。


 異性である俺の布団に潜ってくることに言いたいことはあるが、それだけ心を許せる人というのに飢えていたのだろう。

 婚約者とは言うが、もちろん時の旅人である俺が一生をこの世界で過ごせる訳では無い。名目上の婚約ということだ。俺は王家の後ろ盾を得て、国は褒美を取らせたことで面子を守る。ウィンウィンということである。あの時のシャルの告白が本心かは分からないが、婚約という形で落ち着くのは仕方がなかった。

 だからせめて、シャルをここにいる間は幸せにさせてやろうとは思ってはいたが、幸せそうな寝顔の彼女を見ながら、絶対に不愉快にはさせないと強く心に決めた。


「ん、んぅ…」


 クリクリの大きい瞳と目が合う。


「おはよう、シャル」

「ぁ、ぅ、おはようございます、もふたさま…」

「何か言うことは?」

「え、えと、ありがとうございます?」

「勝手に布団に入り込んでごめんなさい、だろ」

「はい…ごめんなさい…」

「はぁ…。寂しいなら一緒に寝てやるから、潜り込んでくるのはやめてくれ」

「え…言えば一緒に寝てくれるのですか?」

「シャルにも色々あんだろ。そんぐらいは聞いてあげるから」

「ありがとうございます…」

「さて、着替えておいで」


 今のシャルは薄いピンク色のパジャマだ。なんか見ちゃいけない物を見てるようで気恥しいから目が覚めたならはやく着替えてほしい。


「おはよう、おにいちゃん」

「おはようアニキ」

「あぁ、おはようユキ、クロ。フェルもククも『おいで』」

「わふ」

「ホー」

「シャルには初めてだったな。この子達が精霊のフェルとククだ」

「はじめまして、シャルロットですわ」

「わふわふ」

「ホーホー」

「ふふ、可愛いですね」

「あぁ、俺の自慢の精霊たちだよ」


 庭でアウネにも紹介したあと、朝ごはんを用意し、みんなで食べ終わって小休憩すると、シャルにこの街での顔合わせや案内がてら挨拶回り。


「カヤさん、おはようございます。こっちが新しくうちで預かることになったシャルです」

「あら、シャルちゃんね。よろしく。…あれ?どこかで聞いたことあるような…気のせいかしら」

「はじめまして。よろしくですわ」

「それでそろそろ家を改築したくてですね。一通り挨拶してきたらまた来ますね」

「わかったわ」


 次は女将さんの所へ。


「おはようございます、女将さん。長らく居なくなってごめんなさい」

「お、もふた!心配したよ!昨日カヤちゃんから聞いたよ。戻ってきたならそれでいいさ」

「ありがとうございます。それでこっちが新しくうちで預かることになったシャルです」

「あら、増えたのかい!あたしゃ女将だよ!よろしく!」

「あ、シャルですわ、よろしくですわ」


 次は薬屋。


「おはようございます、サチエさん」

「あぁ、おはようもふた。帰ってきたんだね」

「はい、昨日戻りました。長らく空けててすみません」

「気にしてないさね。ただ、急にユキが来なくなると気になるから前もって知らせておくれ」

「はい。それでこっちがうちで新しく預かることになったシャルです」

「おや、増えたのかい。あたしゃ薬を作ってるサチエだよ。」

「シャルです。よろしくですわ」


 最後に孤児院。


「おはようございます、シスター」

「あ、もふたさん。おはようございます」

「ん、もふにぃ。」

「あぁ、ニナもおはよう。他のちびっこたちも」

「「「おはよー!!」」」

「もふにぃ、最近来なかった。なぜ?」

「あぁ、色々忙しくてな。昨日帰ったんだ」

「ふぅん…で、その女は?」

「あぁ、うちで預かることになったシャルだよ」

「預かるって、こいつも同じ家に住むの?」

「そうだな」

「む。シスター、私もふにぃと住みたい」

「えっ!?それは…ちょっと…もふたさんにも迷惑でしょうし…」

「あ、ああ、色々足りないし…」

「こいつが住むなら元々足りてないはず。私が一緒でも大して変わらないはず」

「う…」

「失礼。私はシャルですわ。こいつではありません」

「ふん、雌猫はこいつ呼びで十分」

「なんですってー!?」


 うん、ニナはちょっと攻撃的過ぎる。


「ニナ、噛み付いてばかりなら絶対に預からないぞ」

「あぅ…わかった、なるべく静かにする、だから連れてって」

「もふたさん…」


シスターが目で『止められない』と訴えてくる。


「はぁ〜。わかったよ。じゃあ俺の言うことはちゃんと聞くんだぞ?」

「わかった!」


 パッと花のような笑顔になる。


 どんどん我が家に小さい子が増えていく。

 これだけは言わせてくれ。

 俺はロリコンじゃない!!!




 ーーーーーーーーーー

 お読みいただきありがとうございます。

 あまえんぼ王女かわいい。

 無口系幼女もハーレム入り。

 もふたくんさぁ…

 っていうかこのままではモフモフものじゃなくてただのロリハーレムものになってしまう…早く何とかしなければ…


 【更新】うーん、今回は不評っぽいです…。

その時その時でどんなストーリー書くか考えてるので、急に変な方向に話が進んだりしちゃうんですよね。気を付けます

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