27.王都でのんびりと帰宅
そんな話し合いの後、玉座にてルイ様が シャルロット様が俺に嫁ぐこと、そこには王位継承権は発生しないことを宣言した。
反対意見もあったが、シャルロット様の意志であることと、王様の決定に意見するのかと言うことでなくなった。
「もふた様、ふふ、王都で自由に出来るのなんて久しぶりです」
仕立ての良いドレスから、普通の町娘の格好に着替えたシャルロット様が満面の笑顔で俺に振り向く。
「城の外には出れないのか?」
「はい。祭りでもないと外に出れないのですわ」
「そうですか。これからは自由に出来ますよ」
「ふふ。もふた様、あまり乗り気じゃ無かったのに、優しくしてくれるんですね。」
「…えぇ、色々納得出来ないことはありますけど、それをシャルロット様にぶつける訳にはいかないでしょう」
「もふた様。敬語じゃなくていいですわ。他人行儀で嫌です。呼び方もシャルでいいですわ。親しい人はそう呼びます」
「…わかった。シャル、これでいいか?」
「はいっ」
クロ、ユキ、シャルを連れて大通りを歩く。
「「あま〜い♪」」
「甘いな」
「ん、美味い」
クレープを売っていたのでそれを全員で頬張る。生クリームの甘みをイチゴのほどよい酸味でしつこくない味になっている。
現実であまりクレープは食べないからより美味しく感じる。
ふむ、今度こういうのも作りたいな。
生地は…なんとかなる。生クリームも卵あるし大丈夫か?よし。
「どうでしょう?」
「ん、似合ってるな。可愛いよ」
「おにいちゃん、私は?」
「おう、似合ってる」
「アニキ、俺は別に…」
「クロも見た目いいんだから着飾ってもいいんだぞ?」
洋服店に入り、ファッションショー中。
シャルもユキもクロも、素体がいいから何着ても似合うな。
シャルは黒のゴスロリ、若草色のドレス、赤の派手なドレスなど色々な服を試着したのち、初めの黒のゴスロリが気に入ったようだ。
…俺の反応が1番良かったからとかじゃないよな?
ユキは白のドレス、水色のワンピース、シャツとホットパンツの組み合わせなど色々と試着し、水色のワンピースを買った。
クロは執事服、黒のパーカー、シャツと短パンの組み合わせなど色々試し、シャツと短パンを買った。
全員分の服を払い、店を出る。
「お買い物、楽しいですね」
「そうだな」
「私も買い物好き!」
「俺はどうでもいい」
「さてと。じゃあ噴水でワープ登録しようか。」
「「「はい」」」
自力でたどり着いていないのに噴水ワープさせて貰うのは、きちんと頑張ってる前線の人達には申し訳ないが、何かあれば王都へ来れるように登録させて貰えることになった。
「もふた様の家はどんな家何でしょう。楽しみです」
「俺ん家は狭いぞ?」
…あれ?寝る場所、どうするよ?寝室1つしかないじゃん。
王女と同じ部屋で寝るってやばくね?
顔が真っ青になるのを感じる。
「寝る部屋、1つしかないんだけど、どうしよう」
「あら?私は同じ部屋で…同じベッドでも良いのですよ?」
「こら、あんまからかうんじゃない」
「ふふ」
始まりの街へワープし、家へ戻る。
「あ!!!もふたさん!!何日もいないから心配しましたよ!」
「あ、カヤさん。そうでした、連絡してませんでしたね。ごめんなさい」
「もう、本当に心配したんですから。どこ行ってたんですか?」
「あぁ、ちょっと王様に呼ばれまして。」
「え、王様!?」
「今帰ったとこなんです。連絡忘れたことは本当にすみませんでした」
「まぁ私はいいですけど。サチエさんや女将さんも心配してましたよ。」
「そうでしたか。では明日顔見せに行きます」
「そうしてくださいね。では明日」
日が暮れる前に急いで布団を買い、俺はキッチンで、他の3人は寝室で眠ることにした。
俺はログアウトだが、そうする直前にふとルイ様との話の最後にボソッと言っていたことを思い出した。
「シャルがここまで心を許すものはなかなか居ない。普段は表面的には明るく振舞っているが、ステータス、つまり影でやってる犯罪歴などの人の裏があることを理解してる分、人とのやりとりに疲弊してるのだ。もふた殿からは裏を感じなかったのだろう。ありがとう」
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お読みいただきありがとうございます。
今回は軽くのんびりと、説明回。
ステータス=その人物の犯罪歴が残る称号まで見えるってことで、国の上層にいる腐った人たちをたくさん見てきたよ〜っていう説明ですね。
【追記】
☆が100超えてました…!
たくさん読んでくださりありがとうございます…!!
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