第145話 躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん)
どこで○ドア…………もとい【転移門】が開くと、そこは森の中であった。
「これが……噂の……」
「おおっ!!」
「すげぇ!!」
「…………嘘だろ?」
背後から、ゴメスさんたち【豊穣の大地】の面々の驚きの声が聞こえて来る。
「おい、何だよあれ!?」
「ドア……なの……?」
「何であんなものがあるんだよ?」
「えっ!?えっ!?えっ!?えっ!?」
そればかりか、僕たちの成り行きを見守っていた冒険者ギルトに残っている連中からもどよめきが巻き起こっていた。
あ〜っ、しまったなぁ。
緊急事態だったから、僕が転移できることを隠すことすら忘れていた。
冒険者たる者、その手の内は可能な限り隠しておくことが大切なのに……。
失敗したなぁ……。
……ま、まぁ、人命には代えられないから仕方あるまい。
うん。
そうだ、間違ってないぞ、僕は。
僕がそんなことを考えていると、こちらを見つめていた
彼女はよく見ないと分からないくらい微かに、口角を上げている。
僕の一瞬の逡巡を理解したのだろう。
すぐに、力強くうなずき返してくれる。
どうやら、僕の判断は間違っていないと、力づけてくれたようだ。
かなわないなぁ……。
全てはお見とおしなんだもんなぁ。
僕は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
そんな刹那の間のやり取りを終えると、突然、ブランの表情が強張る。
「先に行く」
そう言った彼女は、まだドアが開ききっていないのに無理やり森へと躍り出た。
詠唱破棄で作った【光の槍】を両手に持ち、白銀に輝く髪をなびかせて。
その姿は、まさに戦乙女もかくやと言わんばかりに凛々しかった。
「どうやら、戦いは始まっているようです。気を引き締めて」
僕もまた、背後に控える面々にそう警告すると、大森林へと足を踏み出すのであった。
★★
「うおっ!?」
思わずそんな声が漏れてしまったが、仕方ないだろう。
転移門を出た僕の眼前に、突然、魔物の姿があったのだから。
咄嗟に【
「【
「
「まずは、コイツらを引き離す。それからだろう!」
「分かったわ!」
そして、次にやってきた
さすがはベテラン。
踏んできた場数は伊達じゃないなと感心する。
それなのに………………。
「うわぁ、ルル!大丈夫かよ!」
「ノア……!こっちもヒデえ!」
「何よあれ!」
「は、は、は、早く……、構え構え構え構えて……」
仲間たちの惨状を見て動揺し、こんな状況なのにアタフタしてる【蒼穹の金竜】たち…………。
向こうで次々と
チラチラとお前ら見られてるからな……。
あああ……、こりゃあ後で厳しいOHANASHI確定だな……。
僕は真後ろに迫っている
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
何も書かれてない作業スペースを見ると、ゲンナリするようになってしまいました。
漫画家が、真っ白い原稿用紙を見て現実逃避するようなものでしょうか。
困ったものです。
とりあえず、乗ってきたので明日も更新します。
なんとか、モチベーションを上げて頑張りますので、★あるいはレビューでの評価をお願いします。
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