第105話 多岐多様(たきたよう)

間に合った……!


これで投稿4作品一気更新達成!


これを機会に、他の作品もご一読いただけると幸いです。


『無自覚英雄記〜知らずに教えを受けていた師匠らは興国の英雄たちでした〜』


『幸福の王子と竜の姫〜転生したら領民がヒャッハーしてました〜』


『自己評価の低い最強』


どうぞよろしくお願いします。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


「いやぁ〜、順調順調〜」

「ん、満足」


 僕とブランは、危なげなく大森林から帰ってきた。

 そもそも、いわゆる深層と呼ばれる大森林の奥深くならともかく、中層程度であれば魔物とも問題なく渡り合えることは、仮面騎士時代に経験済みだ。


 すでに、納品に足りるほどの『ブラッディボア』は討伐済みであるし、予定外の相手キマイラも狩れた。

 初日としては、なかなかの成果ではあるまいか。


「だから、違うっつってんだろうが!!」


 そんなホクホク顔で浅層まで戻ってきた僕らの耳に、怒号が飛び込んできた。

 見れば、僕らと同年代ほどの少年少女が、年配の冒険者たちから厳しく指導を受けているようだ。


 勝ち気そうな少年が、年配の冒険者から殴りつけられて頭を抑えている。

 あれは痛そうだな……。


 おそらくは、あれが受付嬢のルーシィさんから聞いた「先達から討伐のやり方を学ぶ」ってことなんだろうけど随分とスパルタ教育なんだなと感じた。


 ブランの方を見ると、眉間に小さなシワが寄っている。

 どうやら、彼女も同じ考えのようだ。


 僕らも戦闘員(笑)を育てた経験があるから分かるけど、一方的に怒鳴りつけるやり方はしていなかったなぁ。


 前世で部下の指導について、よく使われていた言葉に海軍の軍人である山本五十六の金言があった。


 やってみせ

 言って聞かせて、させてみせ 

 ほめてやらねば、人は動かじ。

 話し合い

 耳を傾け、承認し

 任せてやらねば、人は育たず。

 やっている

 姿を感謝で見守って

 信頼せねば、人は実らず。


 要は、自分が率先してやって見せること、部下を信頼すること、ひとりの個人として認めることが、育成では大切だよという事だ。


 まぁ、戦闘員に関しては、最初から崇拝されている感があったから、一概には言えないがあまりにも酷いようなら仲裁しないとならないかな?


 そんな風に考えて、じっと年配の冒険者たちを見つめていたら、僕たちの視線に気づいたのか、彼らは舌打ちをしながら場所を移動してしまった。


 う〜ん、ギルドもそこらへんは把握してるとは言っていたけど、ひとこと言っておいた方が良いのかな?

 

「どう思う?」

「バカには鉄拳も必要。でも……」

「そうだよね、傍から見ていただけの僕らじゃ、何が正しいのか分からないよね」

「ん」

「まずは調べてみる必要があるよね」

「また、変なところに首を突っ込む」

「性分だからね」


 ブランのため息が、彼女の呆れっぷりを如実に表していたのだった。


 さらにその帰り道で、僕たちは別に先達から指導を受けている班に出会う。


「おおっ、いいねえ。いいよ」

「そうそう、それていいからね」

「近いうちに討伐も出来るわね」


 こちらは、先達が恐ろしいくらいに褒めていたな。


 こうして、教え方にも色々あるんだなと、思い知った一日だった。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


とりあえず書けたので投稿します。


人を導くのって大変ですよね。

そこらへんについて多少、触れてみたいと思います。


毎日投稿の『無自覚~』はともかく、その他の投稿はヤル気の問題ですので、その気にさせるためにも★やレビューでの評価をお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る