第7話

「ルーナ、今日はリューズお姉様と一緒に学校行きましょうか?」

??どういうことなの?

「ルーナも魔法適正測定が3日後じゃない?」

「う、うん...」

そう、そこまでは理解できている。

この家の皆、あ、ダクス兄さんは分かんないけど。も楽しみにしているのだろうけど私より楽しみにしている人はいないと思う。

それもそうだよね、前世では使えないと諦めるしかなかった魔法が今世では使える

というのに、今世になってから何回自分が魔法を使っている姿を夢に見たか。

「ふむ、なぜ学校に行くの?といった顔だね。」

「そうだけど当然のように心読むのやめて?」

 有名な貴族は皆入学前に魔法学校の見学に行く。

前世の学校見学?大学で言うならオープンキャンパスというやつかな。

まぁ私はオープンキャンパスに行く前にこの世界に転生してきたんだけどね、あはは。

 例に漏れず私もほかの貴族と同様少し前にもう両親と見学は済ませてある。

まぁなぜか妹2人もついてきて思ってたより騒がしくなったんだけど...

レッスン休んでまで来るなんてよほど学校見てみたかったんだなぁ。

あの時に見た授業受けてるリューズお姉様とハルトお兄様かっこよかったな...

いつも私に見せないような真剣な顔してて...うんよかった。

「でもなんで急に?私としては願ったり叶ったりだけど...」

「特に大きな理由はないのだけど...学校ってまぁまぁ、というかかなり広いじゃない?あれだけ広いと一回じゃ全部見られてないでしょ?」

「言われてみればそうかも...」

「そうでしょう、そうでしょう。」

 うんうんと深く何回も頷くリューズお姉様。

「今回はお母様達はいないし、私も前と一緒で休憩時間しか一緒に居られないから1人になる時間がほとんどになっちゃうけど...」

「お姉様、大丈夫ですよ。私ももう大きくなったので1人でも大丈夫です!」

ふん、と胸を張って言う。

 そう前世を含め約20年、もはや私は大人といっても過言ではないのだ!

「そう?可愛さで人集めて行列とかできない?」

「できないよ!お姉様じゃあるまいし...」

「一応深めのローブ着てきてね...?」

  お姉様、さすがに心配しすぎでは...?まぁ言われなくても家族以外とほとんど話したことない人見知りの私だから深めのローブ着るつもりだったしね。

昔からずっと少し大きめが好きだったから大きめの服が多いんだよねぇ。

萌え袖ほんとにいいよね。心にゆとりができる。

そうです、わたしが萌え袖信者です。

「じゃあ行くってことてことでいいかな?」

「はい、大丈夫です。」

「じゃ、私は先に行くけど後でちゃんと送ってもらってね。一緒に行きたいのは山々

なんだけど...」

そ、そんなに悔しそうな顔しなくても...今にも血涙流しそうな顔してるよ...

「お、お姉様、お昼ご飯は一緒に食べよ?前一緒に食べられなかったし。」

「うん!うん!食べよ食べよ!」

次は首をぶんぶん振ってるもはやヘドバンだよ...本物見たことないけどね。

「そうだった!前皆に邪魔されてご飯一緒に食べられなかったの思い出した!!」

「邪魔って...言い方が酷いですよ...お姉様を慕ってあんなに人が集まってたんですよね?」

「それはちょっと語弊があるかなー...」

「どういうことですか?」

「あの時はね、可愛い私の妹達が来たから親がいるのにあなた達に話しかけに行く訳にも行かないから私の所に話を聞きに来てただけよ。」

「なるほど、やはり外に出してしまうと可愛い妹達は注目を浴びてしまうのですね、納得です。」

「いや、あなたもなのだけれど...まぁいいわ。」

「それで妹達を褒められて調子に乗って気付いたら休憩時間がほとんど終わってて、帰るあなた達を見送りにいくことしかできなかったのよね。」

ほんとに悔しそうにしてる...家でご飯一緒に食べてるからそこまで気にしなくてもとは思うけど...

「じゃ、2回目だし大丈夫だとは思うけど注意事項とか時間とか説明しておくね。」

「あら、話し込んでいたらもうこんな時間、もう学校行かなくっちゃ。」

 お姉様はバックを取って玄関ホールへと向かう。

「じゃ、ルーナ待ってるよー」

そうしてドアを開けて出て行った。

ふむ、現在時刻は8時30分といったところ。集合時間は10時以降。

学校までは30分ぐらいで着くから9時30分ごろに家出れば最大時間見て回れるかな。

じゃ、10時まで惰眠を貪るとしますか。

「リアナ。」

「はい、お嬢様。」

「私のこと9時20分になったらおこしてくれる?」

「承知しました。」

そう告げてから私は自室へと戻る。部屋に入って直ぐ布団にぼふっとダイブする。

 やっぱりぎりぎりまで寝るのっていけないかもだけど、すっごく気持ちいいよね...

「おやしゅみなしゃい......」

誰に言うでもなくそう呟いて私は少しの睡眠へと落ちていくのであった。

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