第6話

「つ、つかれたぁ...」

4時間に及ぶ2つの地獄レッスンを乗り越えた私。疲れた気持ちは山々だけど、それ以上に頑張った!っていう気持ちも大きい。割合でいうと半々ってところ?

いつもに増して急に成長したような気がする。まぁそんなことはないんだろうけど...今日はレッスン終わったしもうやることないんだよね。これからお昼ご飯までなにしよっか...?

 うーん、そうだな...歩こうかな?目的もなくだらだら歩いてのんびりと過ごすのも悪くないよね。

そう考えた私は4階の階段を降りる。

 まぁただ歩くだけってのもあれか...じゃあ今日やったことの復習でもしよっか...

実際に体を動かすのが一番頭に残るんだろうけど頭の中で反復するだけでも案外覚えられるんだよね。

えーっと...?今日習ったステップは...右足を後ろに45度くらい引いて、その時に腰のひねりを意識して...あと...ここは何回か注意されちゃったな、次は失敗しないように...

あ、そんなことよりわたしどんな魔法使えるんだろうなぁ...お姉様みたいにすごい魔法使いになれるといいな。


 



「......あれ?外だ。」

ここは...屋外プールが見えるしお庭の西の端っこの方かな。

気付かないうちにこんなところまで来てたよ、私。

「いま何時なんだろ?」

すると私のお腹が可愛くきゅ~と鳴く。

「...ふむそろそろお昼の時間らしいね。私の体がそう言ってる。」

よし、今すぐ食堂に行こう。そうしよう。


ああ...ようやく着いた......私本当にどこまで行ってんの?食堂まで10分かかったんだけど!この家全部回ろうとしたら多分1日はかかるんだろうなぁ、絶対にやらないけど。

私はくたくたになりながら食堂の扉を開く。はぁ、この扉ですら重く感じるよ...

ガチャ

「あ、おねーさま!」

「るなねぇ、どこ行ってたの?」

「えっと...散歩......?もしかして私を待ってた?」

「ううん!いまきたとこ!」

「私達お昼ご飯食べに来たとこで、るなねぇいないから探しに行こうかなって。」

「そっか...心配かけてごめんね?」

「ううん、いつものことだから気にしない。」

「そ、それはそれでお姉ちゃん悲しいな?」

い、妹にさえこんなこと言われるなんて...

「おねーさま、落ち込まないで?今からご飯だから元気出して?」

「うん、ありがとう。シャロ。」

「いいよー!おねーさまに元気をあげるのは私のしごと!」

そういってシャロが私に抱き着こうとする。

その瞬間ゾクッと背中にすごい悪寒が走った。

「しゃろ、ご飯なにか見に行こ。」

リズが言うが速いか、シャロが抱き着こうとしていた手をすっと戻す。

「リ、リズ?こ、これは仕方ないと思うんだ...?」

「いいから行くよ。」

「わ、わかりました...」

その時のリズの雰囲気はといえば普段のマイペースは消えさっていた。

でもなんで急に怒ってるんだろう...?

なにやら声が聞こえてくるような聞こえてこないような......?


「しゃろ...ぬけがけは...だよね......?」

「う...つ、つい...」


私はその間席に座ってぼーっとしていた。

「おまたせ~」

そういってリズがにこにこと帰ってきた。

「もうそろそろできるみたいだよ!座ってまっておこ!」

シャロも元気が戻ってよかったよかった。

「お待たせしました。お食事の方をお持ちしました。」

「料理長さん、ありがとー!」

疲れた体にはとってもおいしいご飯でした。

料理長さんいつもありがとう。



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