第2話

「お、お兄様、おはようございます...」

 や、やばい。よりにもよって...

「おい!ルーナ!俺にぶつかってくるとはいい度胸してるな!」

「す、すいません!」

「まったく、よそ見をするからぶつかるんだろう!」

 とはいうものの...

いくら私が気を抜いていたからといってこうはならないでしょ!

こいつだって絶対気抜いてたでしょ!

...まぁ思っててもそんなこと言えないけど...

「気をつけろよな!ッチ、妹のくせにでかい顔しやがって...」

「俺の火魔法で燃やしてやるぞ!」

「もう邪魔すんなよ!ふん!」

兄さんは私と入れ替わるように洗面所へと入っていった。

この人妹のくせにって言った!くせにってなによ!!

 はぁ...落ち着こ...

今すごい態度で迫ってきたのは上から2番目の私の兄。

 名前はレイチェル・ダクス。短髪に揃えられた髪と少し太って...ぽっちゃりしているのが特徴。

測定の結果火の魔法に適正があって、事あるごとにこうやって私を脅してくる。

私より下の兄妹には歳が低すぎてあたれない分私に回ってきているのかも、なんて思うけど、

あの人が成長した妹達に私と同じあの剣幕で接していくようなら...私も流石にそれは看過できないよ。その時には私にも魔法が使えるだろうし、私の愛しい妹を傷つけるようなら私が倒れるようなことがあっても相打ちには持っていってみせる。

妹を害する奴は神でも悪魔でも許さない。それが私の生きてく上での信念みたいなもの。

ま、あんな可愛い子達をわざわざ傷つける奴なんていないだろうけど。

はぁ、なんで朝からこんな憂鬱な気持ちにならなきゃいけないのよ...

速く妹達に会って元気を補充しないと...

そう思い私は急いで食堂に向かう。

ガチャ

はぁ、ようやく天使達と会える...そう思ってドアを開くと、

とたとたとこちらに向かってくる小さい影が二つ。

「るなねぇ、おはよお。」

「おねーさま!おはよう!」

「リズ!シャロ!おはよおお!」

「「わ!」」

急にハグされたことにびっくりしている姿すら愛しいこの2人は私の妹

レイチェル・エリザベスと

レイチェル・シャーロット。

ほんっとうに可愛い私の双子の天使達。

家族は皆リズ、シャロと呼んでいる。

一応シャロが姉、ということになっている。

シャロはボブヘアー、リズはハーフツインテールがお気に入り。なぜか私と同じ銀色の髪なのに、全然ちがう色に見える。これが可愛さの極致なんだなぁ。

リズはかなりのんびりとした性格。わかりやすくいえばマイペース?でもゆっくり喋るその姿がとっても癒し。話してるだけで笑みが零れる。

シャロは活発でかなりアグレッシブに活動して外で遊ぶのが好き。

ただ人見知りが激しくて初めて会う人には話せないどころかずっと家族の後ろに隠れている。そんなところもまた可愛い。

ふたりともとっても可愛い妹達。

「2人共、私とずっといようね...?」

「うん!おねーさまも私から離れないでね...?」

「う、うん。るなねぇがいいのなら...」

あぁ...最高。こんなに癒される空間はどこ探しても存在しない...

こんな子達から自分から離れるわけないよ...

「あらあら、私を忘れてない?」

「わ、姉様!」

「りゅーずねぇ、おはようございます。」

そんな風にハグしあう私達を囲い込むように更に姉様が抱き着いてきた。

姉様のの名前は

レイチェル・リューズ。

私達下の三姉妹は可愛い!といったかんじだけど、姉様は美しい!というかんじ。

髪の毛は腰までかかるロング、目元はおっとりとしてるけどそれとは裏腹に胸元にある2つの爆弾。...私もあれぐらいおおきくなる...?気が付けば私達の近くにいる。

そう、気が付けば。なんでも暇があれば周りの人たちに私達のいるところを聞いて、いつの間にか近くにいる。それでもやることはすべて終わらせてきているからとんでもなくすごいんだよね。

私達兄妹のなかで2番目に年上ということもあってとってもしっかりしている。

気になる魔法の属性は水、風の2属性!!珍しく2属性扱えるのです!

しかも怠らずに訓練しているから日に日にゆっくりとだけど魔法がうまくなっていってるのがわかる。

「ご飯の準備出来てるわ。早く一緒に食べましょう!」

「わかりました、姉様。」

「わーい!ごはん!」

「うん、行こ。」


そうして皆でテーブルに着いた。

「お兄様、まだかな...?」

「おにーさま、お寝坊さん?」

私達一家は家にいる人全員で集まってご飯をたべる。今日はお父様、お母さまがいないから、あとは男兄弟が揃うのを待つだけ。

ガチャ

「あ、来たみたい。」

「遅くなってごめん。ちょっとこいつに注意しててね。」

「おにーさま!おはよう!」

「はるとにぃ、おはようございます。」

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