7.仲間たち
キリシマがふんぞり返っているソファの反対側にいつ四人組があとの現存メンバー。
レベル順に並ぶキャラ名一覧には、キャロと飛鳥(あすか)、かなで、全自動卵割り機の四名の名前が続いている。
この中の誰よりも残念そうに話しているのが飛鳥で、彼女はキャロと同じ学校に通っている学生らしい。
ボイスチャットで響いている二人の声は確かに若い女子たちのものだ。
彼女たちはキリシマ達ベテランの成人勢に比べ、プレイ時間が圧倒的に短い。
LSOを始めてようやく勝手がわかってきたようなひよっこ上がりで全員50~60手前のレベルが名前の横に表示されている。
飛鳥とキャロは特に、あろうことかヴァロランドの公開処刑動画を見てこのゲームを始めたとさえ言っていた。
キリシマやスクルージは「度胸がある奴らだ」と面白がっていたが、真面目なバーレッドには正直気が気でなかった。
いつヴァロランドの公開処刑の標的になるかもわからない状態で面白がって遊び始めた初心者なんて、相当肝が据わっているとも思うし、ゲーム内での出来事であればある程度上級者の自分たちが守ってやれるにしてもヴァロランドの脅威はそうではない。
そんな心配を今日これまでしてきたが、幸いにも翼蛇の杖が処刑の対象に選ばれることはなかった。
もっとも、事件の終結がサービス終了という点では不幸中の幸いだろうか。
彼らがギルドの門を叩いた日のことを振り返って、バーレッドは溜息をついた。
「≪まもなくサービス終了五分前です。ログアウトをお願いいたします≫」
団らん中の七人を一瞬止め、警告を表す赤い文字と音声がそれぞれの頭上に表示される。
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