第九話『異世界の冒険者たち』


 男の体を治して数分後、目が覚めた男に少女は質問尋問していた。


「う、ぐ…?」


「お、起きたやんけ。」


 心肺が動いていることは確認済みのため、気絶状態だとはわかっていたが、肋骨のほとんどが折れて内臓圧迫していた状態から強引にポーションで治したのでどうなるかわからない状態だったのだ。


「俺は…なんでこんなところで?」


「へい、お兄さんに質問、あの死んでる三人組はお兄さんの仲間?」


「三…死…!?ミカルド、エルメス、ジョヌスのことか!?」


 男は少女の指さした方向を見ると死体に急いで駆け寄る。

 三人の男たちは完全に心配停止状態で脳波もなく、つまり死んでいる状態になっている。


「そんな…俺は…くそ!嬢ちゃん、あいつら…あのゴブリンどもがどこに行ったかわかるか!」


「お兄さんをほっておけなかったから見てない。ってか、それよりもその死体を運ぶなりなんなりした方がいいんじゃないの?」


「っ…そう、だな…」


 男はうなだれるように視線を落とすと死体の懐から筒を取り出して空に赤色の神聖力弾を打ち上げた。


「それは?」


「ん?これは討伐ギルドの緊急時に打ち上げる照明弾だ。というよりも、君は?」


 男はふとこんな森の奥に自分の腹ほどの身長のがなぜ、と思う。

 見たところ不思議な下着のようなものしか身に着けていなく、どう考えても木の葉や藪で肌が傷つく。

 疑問に思っていると少女が使い終えて穴からくすぶった煙を上げている証明筒をジッと見ているのに気が付く。


「気になるのか?」


「うん、面白いなって。それを作ってるのは?」


「ギルドに専門の刻印士がいて、その人達が作ってるな。」


「一個どれくらいで買えるの?」


「討伐ギルドに入ったら配布されるぞ?まあ、普通に働ける職業だったら一生目にしないだろうがな。」


「へー」


 少女は弱魔眼により見えるステータスを見ながら想像を膨らませる。

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神聖炎筒『RR:E』


神聖力が詰め込まれた筒。

発行する神聖力の玉を発射する。

玉に攻撃力は皆無。


効果


神聖力放出2%


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「(燃える素材と爆発する素材とそれを入れる筒状にできる石器か金属器かな。単射銃の超劣化版みたいなものか。)」


 光弾が打ちあがってしばらく、がさがさと藪から5人の集団が出てきた。


「緊急信号を見てきたが、大丈夫そう…じゃないな。」


「4人パーティーかな?いや、5人か。」


 リーダーらしき屈強な体にゴツイ鎧を着た男が周囲を確認しながら男に話しかける。

 身軽な格好をした少女が三人の死体を見てリーダーの後ろから人数確認をした。


「あ、いや、この子は違う。」


「違う、とは?」


「まさか、迷子なのかな?」


 弓を持ったイケメンが近くの木から飛び降りながら男に質問する。

 迷子なのかを疑った女性はサッと少女の前でしゃがむと目線を合わせながら少女に優し気に聞く。


「迷子じゃないよ。お…ボクはこの森にすむ錬金術師さ。」


「…だ、そうだ。ゴブリンに襲われて俺だけが生き残れたのもこの子のお陰だ。」


「ふむ?ということはお嬢ちゃんは一人でこの森で住めるほどの何かしらの力を持っていると?」


「ちょっと、言い方が怖いわよ。もっと優しく…ねえ、お嬢ちゃん、この森は魔物の出てくる怖い森なのよ?一人で大丈夫なの?」


 弓を持つ男の言い方に女性は注意しながら少女に問いかける。

 若干少女を赤子扱いしているようで、少女は内心イラッとするが、ぐっと我慢して見た目通りの受け答え方になるように頑張ってみる。


「しばらく住んでるけど、さっき会ったゴブリン…?っていうの?以外にあったことないよ?」


「それは運がよかったからだろう。お前みたいな子供がこの森で暮らせてこれたのはただただ運がよかっただけだ。」


 思いっきし神聖力を放出していたせいで魔物が近寄らなかった、とは、夢にも思わないだろうな…

 教皇を超すレベルの神聖力を錬金に使っていたため、元少女のいた場所の近くは人間が言うところの浄化、魔物の言うところの汚染が広まり、本来ならば採取できないような素材がちょうど今頃できている頃だ。

 もったいないが…まあ、知らなければもったいないという感情もない。


「はあ…ごめんなさいね。こいつ、キザなのよ。まあ、ナルシストともいうんだけど。」


「何か言ったか年増ババア!」


「なんですって!?この乳臭いガキが!」


「まあ、まあ、そこまでにしましょうよ、子供も見てますよ。」


 弓イケメンと年増…女性を後ろで控えていたメイスを持ったシスターがなだめる。

 これで全員か、と、少女は弱魔眼でそれぞれのステータスを自分と比較して視た。

 ※細かくは書いていません

少女

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名前 未収得


年齢 0


性別 女性


職業 見習い錬金術師LV7


称号 異世界の錬金術師LV-

   異世界人間LV-

   人体を知る者LV-


スキル 言語LVMAX

    錬金術師の弱魔眼LV4

    錬金術師の小工房LV5

    筋力(薬)LV45

    体力(薬)LV23

    視力(薬)LV16

    聴力(薬)LV10

    回復力増加(薬)LV3

    寿命延長(薬)LV1


所有物 ワールズブッグ

    回復ペースト×100

    魔力瓶×30

    聖水×20

    気薬×20

    精霊水×50

    錬金処女ヴァルケーンの貞操帯

    その他素材ETC...


所持金 0


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襲われていた男

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名前 フラック


年齢 17


性別 男性


職業 タンクLV1


称号 耐えきる心LV1

   挫けぬ意思LV1


スキル 防御力強化(精神)LV1

    盾術LV1


所有物 鉄の盾『RR:F』

    鉄の鎧『RR:F』

    鉄の剣『RR:F』

    鉄の帷子『RR:F』


所持金 1003


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救助隊リーダー

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名前 バンカー


年齢 27


性別 男性


職業 ソードウォーリアーLV2


称号 剣術の追及者LV2

   狂化剣豪LV2


スキル 神聖剣技LV3

    受け流しLV2

    筋力(鍛錬)LV4


所有物 神聖鉄の大剣『RR:B』

    銀鉄の鎧(祝福)『RR:A』


所持金 24073


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身軽な格好の少女

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名前 ミラン


年齢 12


性別 女性


職業 シーフLV1


称号 欺く天才LV1

   舞わせる毒器姫LV1


スキル 窃盗LV2

    隠密LV3

    低姿勢移動LV3

    短剣術LV1

    筋力(速度)LV6


所有物 闇銀の短剣『RR:C』

    闇夜の外套『RR:A』

    ヴィオパールのネックレス『RR:PL』


所持金 720849


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弓持ちのイケメン

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名前 ネイソン・ブラッグ


年齢 21


性別 男性


職業 ハンターLV1


称号 次期領主LV-

   必中LV99/100

   乳臭いガキLV-


スキル 遠視眼LV1

    弓士LV3

    木登りLV4

    アクロバットLV1

    視力(鍛錬)LV2


所有物 自然の弓『RR:C』

    木々の落花『RR:A』


所持金 2683130


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迷子なのかを疑った女性

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名前 ミローナ=フ・レルモンド


年齢 203


性別 女性


職業 スピリットユーザーLV8

   エルフジェネラルLV4


称号 時代ときを記憶する者LV-

   魔力の宿敵LV-

   精霊の愛人LV-

   英雄の師匠LV2

   英雄の義母LV3


スキル 精霊術LVMAX

    精霊剣術LV8

    精霊弓術LV2

    精霊武術LV6

    精霊召喚LV4

    精霊力(愛)LV107

    全感覚(加護)LV108


所有物 神秘なローブ『RR:OAO』

    スピリットアクセサリー『RR:OAO』

    世界樹の杖(祝福)『RR:OAO』


所持金 0


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メイスシスター

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名前 ランカ


年齢 19


性別 女性(レズビアン)


職業 ホーリーウーマンLV3


称号 聖女LV1

   救世者LV3

   慈愛の母LV2


スキル 神聖力(加護)LV32

    神聖力(祝福)LV42

    神聖力(トータル)LV74


所有物 神官のローブ『RR:E』

    魔殺しのメイス『RR:OAO』


所持金 0


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「(上には上がいるんだな…怪物。)」


「そうね、それにしても…うーん!可愛いぃ…ランちゃん、この子保護しましょう!」


 ランカになだめられたミローナは少女に近寄ると頭を撫でくりまわした。


「そうですね!私ごn…いや、森は危険ですからね。保護しましょう。ジュルリ」


 少女はランカから貞操の危機を感じ、サッと少女は集団から逃げ、森に帰った。


「あー!」


 と、悲壮な声が聞こえた気がするが、きっと気のせいだろうとひた走る。

 そのまま振り返らずに走り、大回りで冒険者の集団を横から見れる位置に移動する。

 冒険者たちは少女の視線の先で何かを話し合った後、救助隊が来た方向に歩いて行った。

 死体は少女がいない間にどこかにしまったのか、なくなっている。

 少女はゆっくり見失わないようについて行った。


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