4.少年王子と用奴
十歳にして子づくり……。王族にとっては、当然の義務とされる。それは父王のオルラもセックスに溺れるわけだ……。
どうやら、この体の真の持ち主も十歳を迎え、こうなることが嫌だったので、逃げたのでは? と思える。しかしそこは第五王子、性教育をするにも相手に困る状況でもあった。
オレのそばには教育係兼護衛、としてアダルナ・マギスという若い女性が一人いるだけ。彼女は基本、生活全般についての教育係であり、ちがう言い方をすると乳母にあたるのだろう。
そして、最初にお風呂を手伝ってくれた少女は、ユイサという。この世界では、用奴という身分の者がいて、言ってみれば奴隷だ。一般の奴隷とちがうのは、拘束はされずに過酷な労働に従事させられる身分、ということ。通常であれば王族のような高貴な身分の者の前に出てはいけない、とされるほど身分が低い。
だから城にも用奴はいるけれど、裏方として人目につかないところで作業をするのが一般的だ。
しかし第五王子であるオレは、他にお手伝いもおらず、用奴がそのままお手伝いとしての役を果たす。
ただ、この体の持ち主はそんな境遇にもうんざりしていたようで、それだけ用奴に対する忌避意識が強いらしい。お風呂で、オレの声掛けに驚いていたのは、そういう会話すらこれまで皆無だったからだった。
ユイサは苗字すら赦されず、用奴は戦場でも捨て駒として扱われるなど、人であることさ否定される。でも性奉仕とならないのは、接触することさえ汚らわしい、という王侯貴族の常識があるから。歪な形だけれど、用奴の身は守られている。
それにユイサは声をだすことができない。喉の辺りには傷跡があり、かつて事故なのか、声帯に損傷を負っていた。そのため、いつ脱落するか分からない、第五王子のお世話係に回された。
四歳上で、身長はややオレより高いぐらい、見た目が少し大人っぽい以外は友達といって差し支えない。髪はカラスの濡羽色――という表現がぴったりの黒髪に白い肌はまるで日本人のようで、この世界の美的価値が分からないけれど、日本にいたら間違いなく美少女だ。
そして今、そんなユイサがふたたび全裸で、オレの目の前にいる。ベッドに横たわって、じっとオレを見上げていた。
ただ今は、アダルナもオレの隣にいる。アダルナは服を着ており、授業でもするような長い指し棒を手にしていた。
「よいですか? 今からシンラ王子には、女性の体というものを知ってもらいます。これは跡継ぎをつくる際にも重要なことなので、しっかりと憶えて、実践できるようにして下さい。いいですね」
今から十歳の少年、シンラ・アートレッドへの性教育が始まろうとしていた。
「女性の体には、いくつもの性感帯とよばれる、敏感な場所があります。まずはこの胸です。この尖った乳首から、リング状に広がる個所を乳輪と呼び、ここは特別な場所です。王子も子供のころ、ここを銜えて乳を吸ったように、性的に重要な場所で、この周りもふくめて優しく責めると、女性は感じやすいのです」
アダルナはその指し棒で、エメロの乳首から乳輪にかけてをつんつんする。エメロもくすぐったそうに、小さく身悶えするのが妙に艶めかしい。
「主に、感度がいいのは自分でもあまり触れない部分、そして肌が内側にあって、服でもこすれにくい箇所です。
例えば耳から耳の後ろ、そこから首筋、うなじから背中にかけても、感じる人がいます。そして脇の下も、こちらから積極的に責めて上げると感じやすいところです。お尻や下腹部などは、生殖器に近いこともあって、非常に敏感ですし、内股なども同じ。ただ人によっても感じ易い箇所は異なるので、相手によって責め方を変えることも重要です。
そうして相手の感度を上げると、行為をしたときに子を生しやすくなるので、王子も努力してください」
なるほど、この異世界では女性を感じさせた方が子供ができる、と考えられているようだ。お酢を飲むと男の子が生まれやすい、といった迷信を聞いたことがあるけれど、そういう類の話と考えられた。
でも、アダルナはその説明をするのに、全裸のユイサをつかうので、妙に真実味を帯びてくるから不思議だ。
「唇を重ねる、キスという所作も大切です。これは粘膜同士を接触、こすりつけ合うことによって、内部から相手と触れ合うことができる、距離の近さを感じ合える、という意味です」
そう告げた後、その指し棒はゆっくりと下へと向かっていく。
「ほら、足を上げて、少し開いてみせて」
アダルナがそう指示をだすと、ユイサは膝を立てて、少し足を開いてみせる。用奴とはいえ、ここまでしないといけないのか? とオレなどは考えるけれど、ユイサは逆らうこともない。
アダルナはオレを、彼女を下から覗きこむ位置に連れていく。
「こちらが女性の陰部です。男性は、放尿する個所と生殖器が一体ですが、女性は別れていて、こちらのこの部分、ここに王子の生殖器を挿しこんで、中に精子をだします。そうして子供ができるのです」
オレも童貞であるけれど、この程度なら知識として知っている。ただ、生の女性のそれを見ながらの説明は初めてであり、正直オレのそれは、もう完全に準備態勢をとっていた。
「王族が、用奴との行為をすることは認められていませんし、そんなことをすれば王族としての地位を失うでしょう。しかし、練習は必要だと思われるので、まず胸のさわり方を学びます」
アダルナは事務的に話をすすめるのだけれど、そうでなければおかしくなりそうだ。オレはアダルナに促され、ユイサの胸に手を置いた。
仄かに膨らんでいて、柔らかさよりもパツパツに張り、これから大きくなろうとする、そんな胸だ。
「ゆっくりと、回すように……。そう……、あ、もう少しゆっくりと……。それでその先端を意識して。その周りの、乳輪のところを指でさすって……。いいですね。そのまま指を乳頭へもっていって下さい。先端より、その周りの方が感じやすいので、指でさするように……」
ユイサもさすがに真っ赤な顔をしながらも逃げることはせず、目を閉じて、それを受け入れている。
「では、今度は下の責め方です」
オレはこの授業の間中、一体何度イクことになるのだろう? 若いだけに立ちっ放しで、幼いだけに出すこともないけれど、ユイサを弄り倒すというプレイは刺激的過ぎて、童貞にはかなり厳しい教育でもあった。
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