万年補欠の下克上！！！（第3期）ー再転生した野球少年は底辺スキル「支援魔法」でメジャーリーグを駆け上がれ！

最低な1番打者《リードオフマン》

9月16日（木）

　今日は「最後の」休日。明日から最終戦の10月3日まで休みはない。

チームのみんなは朝からゴルフコースだ。あんたら好きねぇ。もちろん俺も嫌いではない。例えば俺と亜美が結婚してこどもができた場合、俺の魔法を継承していればゴルフをやらせるだろう。「命中率UP」の魔法があって、しっかりと心身を鍛えたら名選手になるはずだ。

　親と同じ競技の道を選んでくれるのも嬉しいけど、親と比較されたり、過剰な期待をかけられたりするのはちょっと……ねえ。なら今からでも始めんかい、と言われそうではあるが、俺的には最低でも23歳くらいの成長期の最後までは鍛えることに集中していたいのだ。

　ということで、大学のプールとジムですよ。（使用料は大学への寄付金の形で納めてる）同年代の人たちと接するのも良い。それこそ世界中から学生も来ているし。

　夕方からは会食、というか由香さんの家族（ご両親とお兄さん家族）とマシューの家族（ご両親と妹さん家族）の顔合わせ会。なんで俺が出なアカンねん……とは言えずお付き合い。一応現在マシューの雇用主やし。

　と思って少し気合をいれていたものの単に「子守要員」だった模様。あと、めっちゃサインさせられた。いつも由香さんが断っているんだそうで。

9月17日（金）

　今日からLAからアンカーズを迎えての3連戦。松居さんがホーム練習の時間に挨拶にきてくれた。

「時差大丈夫っすか？」

「おいおい、昨日まで（ここと同じ時間帯（タイムゾーン）の）クリーブランドで試合してたんよ。それにしても健、お前吹っ切れたな、……打撃の方は。」

「ありがとうございます。おかげさまで……打撃の方は。」

TVカメラが入っているからってわざと面白くするのやめてもらっていいですか。

　「俺も投手のこと聞かれても困るしな。」

「なんかいい松脂（マツヤニ）とかサンオイルとかシェービングクリームとかないっすかね？（全部不正投球の品）」

俺も図に乗ってみる。

「そういうことは植原（コージ）に聞けよ。そのうち（試合で）当たるんだろ？……そういうのが専門かどうかは知らんけどな。」

ちょっとひどい流れ弾やめて！「知らんけど（＝冗談ですけど）」で済まされるの関西だけですって。あ、関西人だから平気か（偏見）。

　先発はこちらがウェズ、あちらが途中アリゾナからトレードされてきたダン・ハーレー（右腕）。俺は1番指名打者。対する松居さんは4番指名打者。

　試合はテンポよく進み、８回まで2対3の1点ビハインド。この回先頭の俺。投手はスコーンに代わる。その代わり端をたたいた。4シームをアウトハイに集めてきたので流し打つと右翼ポールぎりぎりの44号ソロ本塁打。同点に追いつく。

　ただ9回アンカーズの7番ウッズにソロ本塁打を打たれ、それが決勝点に。3対4で緒戦を落とす。

　ちなみにバチスカーフもレッドアックス戦で48号本塁打を放ち、譲らず。

9月18日（土）

　本日の先発投手はこちらがブライス、あちらはピエリオ（右腕）。俺は1番指名打者、松居さんは休養日。

　4回の2巡目の打席。フルカウントからのアウトローの4シームをレフト前に流し打ち。無警戒をいいことに二盗。ちなみに今季7つ目。俺、データ上では走れないと思われているらしい。それを足掛かりに2点先制。5回にはブライアンの8号ソロ本塁打で3対0。

　ところが7回にブライスが3ラン本塁打をあびて3失点。同点に追いつかれる。

8回裏一死無走者で俺。アウトハイへのカットボール強振。ライトスタンドへ飛び込む45号ソロ本塁打。4対3に。それを最後トリアーノが守り切って辛勝。

　ちなみにバチスカーフもレッドアックス戦で4９号本塁打を放ち、譲らず。

ヤーナーズも勝って順位変わらず。

　ホテルで久々に家族から電話。向こうは日曜日の昼ぐらい。最後に妹の美咲が出てくる。あー、いつもの老〇（ガイ）さんの喝（アレ）かな。

「今日のお兄の喝はね！一番打者なのに初回の出塁がないことと、盗塁が少ないことだってさ。リードオフマンのなんたるかを全く理解できていない、だって。」

嬉しそうに言うなよ。

「いやなぁ美咲さんよ。今の野球はサイバーメトリクスって言う指標があってだな、一番打者に求められる役割そのものが変わりつつあるんやけど。」

確かに盗塁は少ないが打率も出塁率もチーム１やろがい。

「そんなんくらいあたしでも知ってるよ。でもさぁ、パパが言うにはさ。こうやって悪口言ってくれる人がいるのはありがたいんだよ、世の中外面だけ笑ってていきなりはしご外してくるヤツの方が多いんだよ、だって！そうなの？」

「事実だよ。日本限定だけどな。」

ま、親父も「忠告」ではなくあえて「悪口」と表現したところがミソなのだろう。

さすがは企業務め。企業の成長には「言いがかり（クレーム）」が欠かせないっていうもんな。

打者

(左）打席231　打数203　安打65（長打38）四球22死球2敬遠4　犠打4 打点76　二塁打8三塁打1 本塁打29　

（右）打席92　打数84 安打34（長打23) 四球6敬遠1犠打1　打点40 二塁打6 本塁打16

(合計)打席323 打数287 安打99(長打61) 四球26死球2敬遠5　犠打5 打点116　二塁打14三塁打1 本塁打45 打率 .345 出塁率.411長打率.871 OPS1.281

盗塁6

投手

（左）試合11 5勝3敗　　67回　失点22　奪三振50　防御率2.96

（右）試合11　 4勝 3敗　　67回　失点19　奪三振45　防御率2.55

合計　試合22　9勝 6敗　　 134回　失点41　奪三振95　防御率2.75