9月のデッドヒート!地区優勝を目指して
友との再会。
8月30日(月)
選手紹介の時、スクリーンに表示されるジセル投手の顔写真は異様なほどに目を見開いていた。漫画なら「カッ」って書いてありそうなくらいね。出来の悪い運転免許証写真か、とツッコミを入れるレベル。
「いやなんか『
ドンゴがさらっと毒のある解説。やっぱりそういうのは気になるのかしらん。俺は「転生特典」で目は
本日は8番指名打者。チーム三冠王が8番打者て(笑)。実は明日は先発投手の予定なので体力面での配慮である。
今日もうちのチームの主軸が爆発。ベーニャの26号も飛び出し6対2で快勝。俺は3
8月31日(火)
先回「無様な」KO負けを喫したこともあり、今日は気合を入れて「リベンジ」を目指す。ただ今日は「右投げ」だし、打たれた相手も違うので厳密には「
160km/h台の4シームを中心に2シームと横スラを使ったいつもの攻め方。身体づくりが効いてきたのか、4シームの平均球速は上がってきているのを感じる。
3回表にマクドーネルに出合い頭のソロ本塁打を打たれたものの6回までその1失1のみでしのぎ、見かたも5回にダンの二塁打などで3点を取ってくれ3対1でマウンドを降りた。バチスカーフを相手に2打数無安打四球1。よし、ついに10勝だ。
……と思いきや、
8月の最後は黒星でしめくくり。8月は17勝12敗。首位ヤーナーズとは1ゲーム差のままである。
9月1日(水)
毎年恒例のセプテンバー・コールアップの日である。試合に出場できるアクティブ・ロースターの枠が4増えるのである。これはポストシーズンに進出するチームに戦力補充をさせ、残念ながらシーズンが終わるチームには来季の新戦力を試す機会になるのである。
レイザースは傘下AAA球団であるダーラム・バレッツから4人を「召喚」した。
投手ジェイミー・エリクソン(ヘル吉)、捕手ディオ・ナザーロ、内野手ロッソ・バルッテリ、外野手デズモンド・ジェンキンス(デズ)である。
ヘル吉は俺が投手登録に戻ったあおりを受けてマイナー落ちしていたが1週間で復帰したことになる。
デズは打率.278の安定した打撃と守備を評価されての昇格。もっとも、カールがこのオフにはFAになり他球団へ流出する可能性が高いのでその後釜候補の一人として呼ばれたという意味もある。
昨年の春にAAのモンゴメリー・クッキーズで出会った3人がメジャーリーグで再びそろうことになろうとは。そう考えると感慨深いものがある。
「明日は休みだからロッカールームで歓迎会をやるからな。」
BJがみんなに告げる。もとより雨天延期のための「予備日」なのだが、幸い今季はなかったので明日は完全オフになるのだ。みんなも賛成のようだ。
「じゃあ健、ドリンク係をよろしくな。」
え?ヘル吉も当番のはずだが。
「良いんだよ、『
この雰囲気は……あー、そういうことね。
今日は先発がブライス、あちらはマーカス(右腕)。俺は7番指名打者。デズが2番ライトで初先発出場。ずっと緊張しているようだ。
「デズでも緊張するんだな。」
俺が感心したように言うと
「当たり前だろ。お前と一緒にすんなよ。」
「まあレギュラーシーズン中にクビにはならんから思いっきりいこうぜ。」
デズのメジャー初打席はマーカスのカットボールをひっかけて三塁ゴロ。打たされました感がひどい。結局3打数無安打で8回に代打を出された。ほろ苦いデビューに。
試合は5回バックリーの15号ソロ本塁打で1点先制されたが、その裏すぐにジョアンの9号ソロ本塁打で同点に。続く俺も141km/hのほぼ真ん中への4シームをライトスタンドへの35号ソロ本塁打で逆転に成功。8回にも1点を加えたレイザースが勝利。ブライスは16勝。俺も節目の100打点目をマーク。
試合後、ロッカールームに飲み物や料理(と言ってもピザとチキンしかない)が次々に運びこまれてくる。シャワーを浴びて私服に着替えていると素っ頓狂な声が上がった。
「あれ?俺の私服は?」
【沢村健の今季成績(通算)。】
打者
(左)打席190 打数168 安打53(長打30)四球15死球2敬遠2 犠打4 打点67 二塁打7三塁打1 本塁打21
(右)打席83 打数75 安打31(長打20) 四球6敬遠1犠打1 打点33 二塁打6 本塁打14
(合計)打席273 打数243 安打84(長打50) 四球21死球2敬遠3 犠打5 打点100二塁打13三塁打1 本塁打35 打率 .346 出塁率.401長打率.840 OPS1.241
盗塁6
投手
(左)試合9 5勝2敗 61回 失点20 奪三振46 防御率2.95
(右)試合9 4勝 3敗 61回 失点16 奪三振41 防御率2.36
合計 試合18 9勝 5敗 122回 失点36 奪三振87 防御率2.66
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