万年補欠の下克上！！！（第3期）ー再転生した野球少年は底辺スキル「支援魔法」でメジャーリーグを駆け上がれ！

追撃せよ。

8月28日（土）

　現在の本塁打ランキング（ア・リーグ）。1位はトロント・ブルージーンズのバチスカーフの42本。2位が俺、33本。3位がデトロイト・タイタンズのミゲル・カブレロ、32本。4位がシカゴ・ホワイトアックスのコルネコで31本。この争いはポストシーズン進出がすでに絶望的なブルージーンズのバチスカーフが圧倒的に有利。

　俺も開幕から上でやっていれば、というのはある。とはいえ並みいる「強打者（スラッガー）」に混じってタイトル争いというのもなかなか熱い。ただ、「9本差」をもって「争い」と言えるかどうかはいささか疑問ではある。

　今日の先発はこちらがゲイザー、あちらがバックホー（右腕）。俺は1番指名打者。バックホーはルーキーイヤーにノーヒットノーランを達成した投手。今季はすでに10勝を達成している。

150km/h台の4シームと同じ速度のシンカー。思わず手を出してしまう。ちょっとこの高速シンカーに手をやいてしまう。左打者の俺には外側に沈む感じ。低めをきっちりとゾーンに入れてくるのもいやらしい。

　3回の第2打席も捉えたつもりがわずかに届かず。6回の第3打席は全く同じコースにカットボールを混ぜてきた。食い込まれて珍しくゴロアウト。こちらとしては4シームでゴリゴリ押してくる方が得意なのでこういう日本人（監督）好みの投球はアジャストに時間がかかる。

　8回表まで1対２とリードされていたが、8番ＢＪのソロ本塁打で同点。球数が110球の時点で俺のところで投手変更。ちょっとホッとする。ここで（左の）丘島さんは嫌だなぁという思いのが通じたのか同じ左でもダブロン。

　右打席にスイッチ。4球目の真中だが高めに少し外れた4シームを振りぬいた。左中間への34号ソロ本塁打。3対2と逆転に成功。9回にトリアーノがしっかりしめて39セーブ。

　ちなみにコルネコがヤーナーズ戦で32号を放って3位タイに。

　ちなみに亜美から聞いたところによると（日本はもう日曜日）「日本人対決」に関するニュースで某老〇（ハリー）氏の喝は俺にではなく松居さんに対してだったそうで「未練たらしくアメリカにしがみついていないでさっさと日本に帰って恩返しをしろ」だった模様。余計なお世話である。むしろ日本が松居さんに恩返ししろや。

　8月29日（日）

　今日は最終日であるのにナイトゲーム。理由はレッドアックスが明日休みだからである。レイザースとしてはヤーナーズ戦の次に観客数が見込めるのがこのレッドアックス戦なのだ。

　松阪さんたちは試合終わりに飲みにいきたいようで、マシューに「良い」店を抑えてもらうようにお願いしておいた。日曜日の夜に営業している店で「良い店」というのはなかなかハードルは高い。まあ羽目を外せるのは（家族の目が届かない）遠征先くらいですし。

「健も行こーよ。もう二十歳になったんだろ？」

あー、もうそれさすがにツッコミいれるの飽きたんで。

　こちらの先発はフィールズ。あちらは右腕のリッキー。俺は一番指名打者。

　最初の打席、第一球。外にはずれたクソボールをストライクに取られる。思わず振り返りそうになるのをグッとこらえる。ところがフルカウントから、初球よりさらに外に外れたクッソボールをストライク。見逃し三振。いやさすがに今のはアカンやろ。どうも外角高めにストライクゾーンがずれたお方らしい。彼に悪意がないことと今日は調子が悪かったということを祈るしかない。

　おかげで球を見るのが危険になってしまい早いカウントから内角寄りの球に手を出さざるを得ない状況に。俺は4打数2安打。さすがに長打は狙えず。試合はベーニャの25号、カールの15号本塁打などで5対３と、目標にしていたこのカード勝ち越し。

　8月30日（月）

　今日からトロント・ブルージーンズを本拠地（ホーム）に迎えての3連戦。現在本塁打トップのバチスカーフ、そしてそれに挑戦する俺、という構図を打ち出した広報だった。

　記者さんたちからも「本塁打王」への挑戦の抱負を聞かれるがいったいどこまで本気で聞いているのかよくわからない。ブルージーンズ側のカナダのマスコミさんもいるのでさすがに挑発的なことは言うべきではないだろう。

「8本差ですからね。シーズンのはじめなら可能（アレ）でしょうけど、残り1か月でこれをひっくり返せたらさすがに奇跡でしょうね。まあ、目標はあくまでもポストシーズン出場権であって個人タイトルはおまけ……みたいなものです。」

と、しっかり煽ってるやないかーい。

　先発はこちらが復帰2戦目のウェズ、あちらが「左腕」のジセル。相手が左腕ということで俺は8番指名打者。監督のこのこだわりが不明すぎる。

　【沢村健の今季成績（通算）。】　

打者

(左）打席184　打数162　安打52（長打29）四球15死球2敬遠2　犠打4 打点66　二塁打7三塁打1 本塁打20　

（右）打席83　打数75 安打31（長打20) 四球6敬遠1犠打1　打点33 二塁打6 本塁打14

(合計)打席267　打数237 安打83(長打49) 四球21死球2敬遠3　犠打5 打点99二塁打13三塁打1 本塁打34 打率 .350 出塁率.407長打率.844 OPS1.251

盗塁6

投手

（左）試合8 5勝2敗　　61回　失点20　奪三振46　防御率2.95

（右）試合8　 4勝 3敗　　55回　失点15　奪三振38　防御率2.45

合計　試合15　9勝 5敗　　 116回　失点35　奪三振84　防御率2.72