外野シフトと対抗策?
8月5日(木)
俺も亜美の代表選出に浮かれている場合ではないものの、WBCで代表に決まった時の高揚感を思い出してウキウキしていた。そんな気持ちをすっかり
なんと、俺の打席でトワイライツの
呆れている場合ではない。ただまんまと
もちろんどれだけシフトを敷かれようが「頭の上」を越せさえすれば関係ない。ただ「確実に」そうするためには「
高校野球なら「本番」となる試合数は春秋の関東大会、夏の甲子園、神宮大会など予選をいれても30試合程度。試合が連日あるのは準決勝と決勝くらい。「
だからこそ俺は愚直にトレーニングを続け、素体となる己自身の「肉体」と「技術」の底上げをし続けなければならないともいえる。魔力はあってもその魔法に肉体が
とは言え、8回まで6点リードされ、BJのソロ本塁打後、二死満塁で俺に回ってくれば使わざるを得ない。相手投手は左のメイにスイッチしてきたため、俺も右打席にスイッチ。3ボールからのど真ん中に置きに来た4シームを素直に弾き返した。1点差となる27号
続くジョイナーの代打で出たバードレッドにも3号本塁打が出て同点に追いついたものの、9回にブノワが2点を奪われてそのまま敗戦。
8月6日(金)
翌朝、次の対戦相手ブルージーンズの本拠地のトロントへと向かう。
「パスポート、ちゃんと持ったよね?」
球場まで送ってくれたマシューもだいぶ「マネージャー」らしくなってきた。というか「オカン」かよ?
由香さんが亜美の取材のためにアメリカを離れるため、マシューが代理の取材者として遠征に帯同することになったのだ。
ちなみに亜美たちは昨日「結団式」をして今日の公開練習後、早々にニューヨークに渡り、そこで「時差ボケ」を抜くらしい。日本とNYの時間差は12時間。飛行機搭乗時間も12時間。12時間経っても少しも時間が変わっていないというのはなかなかに強烈な経験である。
なぜにNYかというと前述したが日本から開催国のベネズエラへの直行便がないこと、そしてベネズエラとニューヨークは同じ
もちろんニューヨークも「場所によって」は治安が悪い。ただ「トランジット」なので原則外出禁止。ホテルに缶詰めだそうだ。
それはアメリカのどの都市でも言えることでメジャーリーグの球団はすべからく大都市に本拠地が置かれているため、治安の悪い地区には足を運ばないよう球団から
そして、球場は
さすがにブルージーンズまで「外野シフト」を敷いてくることはなかった。第一打席。初回の二死二塁で4番に座った俺に回ってくる。まだ初回だし少し試してみよう。「命中率上昇」の支援魔法で左翼方面を指定。風速3.75m/s左翼方向から吹き込んでこんいる。バットには「カウンター」魔法。
初球の4シームは外角中程の絶好球。見事にラインドライブの打球が左翼線を突っ切っていく。本塁打は狙えないが十分二塁打にはなる。外野シフトを敷かれたらこの手で行きたいところだが、成功率はまだ定かではない。
というのも、同じ手法ではこの1安打のみ。先発のゲイザーは2失点で完投したもののチームは1対2で敗れる。前日は投手陣が崩れ今日は打線の援護なし。投打がかみ合わないというのがチームの現状だ。これで3連敗。俺たちの背中にはすでに3位のボストンが迫っていた。
【沢村健の今季成績(通算)。】
打者
(左)打席140 打数122 安打40(長打25)四球12死球2敬遠1 犠打4 打点55 二塁打7三塁打1 本塁打17
(右)打席57 打数53 安打21(長打14) 四球3 敬遠1 打点29 二塁打4 本塁打10
(合計)打席197 打数175 安打61(長打39) 四球15死球2敬遠2 犠打4 打点84二塁打11三塁打1 本塁打26 打率 .349 出塁率.395長打率.892 OPS1.281
盗塁4
投手
(左)試合8 5勝1敗 58回 失点14 奪三振44 防御率2.17
(右)試合7 4勝 2敗 47回 失点14 奪三振36 防御率2.68
合計 試合15 9勝 3敗 105回 失点28 奪三振80 防御率2.40
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます