最古の球場から最新の球場へ。
6月30日(水)
実は今日がオールスターのファン投票の最終日。ネットで俺の順位を見ると14人中8位。やっぱり6月後半の使われなかった時期が影響した形。最下位ではないのは間違いなく日本からの「応援」のおかげだろう。ありがとうございます。
特に指名打者部門は脂の乗り切ったビッグネームな
今日は6番指名打者。最初の打席は松坂さんが右腕なので左に。低めを審判にとってもらえずに四球。
4回の第二打席も四球。スライダーが良いコースに決まっているけど球審が酷い。あれが全部ボールとか対戦相手の俺さえ気の毒になるレベル。捕手のバルテックのイライラがこちらにも伝わってくる。ただこちらもそこに付けこむしかない。四球とタイムリーなどで3点を先制。
5回の第3打席は松阪さんの初球のスライダーがまさかの
結局松阪さんは6回で降板。3失点なので十分に
8回はビッグイニングに。ドンゴ、ベーニャの連打で追加点をあげて無死二塁で俺。この回代わったデレクマン(右投げ)に対して左打席。インハイへの4シームを打ち抜く。右翼席へ飛び込む13号2ラン本塁打。その後バードレッドの本塁打を含む打者一巡で6点追加。1対9に。
その裏オルテガ、ベルトラの二枚看板にブルペン陣が3失点するも4対9で勝利。
ヤーナーズ 48勝30敗。レッドアックス47勝32敗。レイザース45勝32敗。三つ巴の首位争いが続いている。
それはいいのだけど、問題はこの後の移動。明日からミネソタ・トワイライツ戦。トワイライツは同じア・リーグの中地区のチーム。つまり
7月1日(木)
ホテルについたのは夜中の2時過ぎ。ホントは3時だったんだけど時差の関係で1時間戻ってるんだよね。この半日後にはブルペンである。
「あー、今日先発じゃなくてマジで良かった。あれ?今日の先発誰だっけ?」
もちろん答えを知っているはずのウェズが俺を煽ってくる。飛行機の中で飲み続けていたせいでもあるが。
「はいはい。俺ですよ。」
ただウェズも先発明け(ゲイザー)でも翌日先発(ブライス)でもないので試合中はベンチ入りしないといけないのだ。
「自動回復魔法」と「
10時には目を覚まし、ストレッチから。昼過ぎにホテルから遅い便のバスで球場へ。
「ピンポイント・フィールド」。今年の開幕から使われている真新しい球場だ。それまではレイザースと同じようなドーム球場(人工芝)だったのだが老朽化に伴い新球場が建設されたのだ。「ピンポイント」は
クラブハウスも新しくて広くて綺麗。考えてみれば昨日までは100年前からあった球場から来たのだ。まさにタイムスリップしたかのよう。ただブルペンの位置が左中間の奥に壁を隔てて隣り合わせになっていた。これってフェンウェイパークと立地が変わらんやん。100年前と似たようなレイアウトとか。
ちなみにトワイライツはア・リーグ中地区1位。決して
本日は左投げ。ショーンが俺を呼び止める。
「健、今日の球審がヤバい。トム・ツチーダだってよ。」
「土田?日系人なの?」
「いや。普通に白人のオヤジさ。確かに珍しい名字だけどな。」
なにが「ヤバい」かというと「メジャー最小のストライクゾーンを取る男」なのだ。
「つまり4隅は取ってもらえないのか。」
「ああ、ほとんどとってもらえない。だから落ちる球を使うぞ。」
正直俺が四球が増えた理由はこれ。球審によって異なるストライクゾーンに悩まされているのだ。「微妙に」ならまだいいのだが「極端に」異なることの方が多い。
俺が登板した時、相手チームは驚いていた。どうやら俺を右投手だと思っていたらしい。確かに先回の登板は右だったし、ノーヒットノーランゲームの負け投手だったのはニュースになっていたからだろう。事実を知ったらしく相手ベンチは歯を見せて笑っている。
ま、いずれにしてもただの「ド新人」なので舐められても仕方ない。
第1球目は左打者のスウェン。名刺代わりに外角高めいっぱいに157km/hの4シームを投げこむ。
このコントロール、どやぁ。
「ボール!」
審判のツチダのまさかのコール。うわぁマジかー。
【沢村健の今季成績(通算)。】
打者
(左)打席74 打数66 安打25(長打13)四球5死球2 犠打1 打点20 二塁打3三塁打1 本塁打8
(右)打席38 打数35 安打14(長打7) 四球3 打点17 本塁打5
(合計)打席112 打数101安打39(長打19) 四球8死球2 犠打1 打点37 二塁打6三塁打1 本塁打13 打率 .386 出塁率.432長打率.851 OPS1.284
盗塁4
投手
(左)試合4 2勝0敗 31回 失点5 奪三振25 防御率1.45
(右)試合4 1勝 2敗 27回 失点9 奪三振18 防御率3.00
合計 試合7 3勝 2敗 58回 失点14 奪三振43 防御率2.17
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