1話

「そう言えば優也、結局ルーニアちゃんは当たったのか?」

「…いきなり何だよ」


中庭からの帰り道、突然晴斗がそんなことを言い出した。


「いや昨日遊びに誘ったとき言ってたじゃないか、『明日がガチャの最終日だから、早く帰ってルーニアちゃんを引かないといけないからすまんっ』って」

「あ~…そう言われれば言った気がする…」


確かに昨日帰る時にそんな会話をした気がする。急いでたからうろ覚えだけど。


「結局途中で寝落ちしちゃってさ、まだ引けてないんだよな~」

「えっ、確か優也あのガチャ今日の13時までじゃなかった?」

「…今何時だ?」

「あそこに時計あるよ」


晴斗が指を指した方を見るとそこには12時58分を指し示す時計が…


「やっべ!」

「ちょ、優也!?」


瞬間、俺は走り出した。晴斗がなんか言ってるが知ったこっちゃねぇ!

俺は教室に戻ってくると急いで鞄からスマホを取り出しアプリを起動する。いつもは短いロード画面がやけに長く感じる。

ロードが終わり画面が切り替わると俺はすぐさまガチャの項目をタップする。


現在時刻12時59分!ギリギリセーフ!


画面が切り替わり空から流星群が流れ出す。ここで流星が金色に光ったら星6確定だがはたして… 偉大なるガチャの神よ…今日残り半日の運をここで使い果たして良いから、お願いしますっ !


「よしっ!」


10個流れる流星の内一つだけ金色に輝いた。後はこの金色がルーニアちゃんであることを祈るのみだ。次々と演出が消化され、残るは金色流星のみ。誰が来るかな。どうせだったらルーニアちゃん当たってください。金色の流星から目映い光が溢れ━━


「よっしゃぁぁぁ!!!」


光が収まったそこには期間限定衣装を纏ったルーニアちゃんの姿が。思わずガッツポーズをとる。はぁ、この世の全てに感謝…偉大なるガチャの神よありがとう。と、俺が満足感に浸っていると……


「━━何をしているんだ?小鳥遊」


後ろから、ゾッとする程の怒気を含んだ声が聞こえてきた。思わず体を震わせる。

恐る恐る振り返るとそこにはにっこり笑顔なのに目が据わっている担任の姿と、その後ろで呆れて顔を手に当て「あちゃ~…」と言っている晴斗の姿が……。


言い忘れていたが俺が通う青園高校は学内原則スマホ使用禁止である。この校則を破ると生徒指導室で5枚位反省文を書かされる。で、今俺はこの校則を破ったわけで…


「小鳥遊、放課後、生徒指導室に来い」


「…デスヨネー」


はい、放課後居残り確定しました、ちくせう。まぁ、星6限定ルーニアちゃんは当たったんだ。目的は達成したし問題は無いだろう……今回は早めに終わると言いなぁ…と放課後のことを考えて、俺は深くため息を吐くのだった……。




………後書き………


見てくれてありがとうございました!作者です!

はい、という訳でプロトタイプの展開に戻りましたねー。これで次の話が書ける…


あ、それと昨日の話を良いねしてくださった方々、本当に有難うございます!これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!


コメントや良いね、フォローとかしてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします!


それでは、次回をお楽しみに~



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