第4話

「今は惨めな気分だ...。そんな俺に話しかけてくるなんて、変わってるな、、」


「ふふん。別にいいじゃない。

私的には話しかけるもかけないも自分の気分によるから。話しかけたくなかったら話しかけないし。。」


「追い討ちをかけるように、

さっき、幼馴染に振られて来た。

今日からシンジとは付き合えない。貧乏になっちゃったから、恋人を辞めると言われたよ」


「簡単に破局したのね。私がたとえば、、

真島マヒロさんの立場なら。あなたの彼女の立場なら、そんな貧乏になったからと言って

あなたの彼氏を辞めたりはしないと思うけど」


「え」


俺は思わず顔を上げた。

夕日が眩しかった。


それでも、俺は顔を上げ、マドンナの顔を凝視した。


「そんなことある?」


「ええ。私なら彼氏のお父様の会社の経営が上手くいかなくなったとかで恋人関係を解消したりはしないわ」


耳を疑うその言葉。


だがしかし。


橘ヒナタの目はマジだった。


「あのさ、ちょっと可哀想だから、、

その、、私でよければ、慰めてあげてもイイけど?」


「慰める?それは具体的にどういう、、」


「そうね。簡単に言うと、恋人同士のフリをしてあげてもいいよ。あまりにも寂しそうだから、気休めになると思うわ...」

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