其処ににある木の底床

其処に根付いた木は葉を選び 時には捨てて

成長させなければならない事を 知っている


柔らかい底床も 年月を重ねる毎に

踏まれ固くなって 居心地の悪さを自覚する


それでも其処に 居座らなければならないから

いつしか水も通らなくなる


それでも其処に じっと居座らなければならないから

いつの間にか 根は吸収する事を

少し忘れてしまう


それでも呼吸は出来るからかまわないと

葉をわざわざ選ぶ事を 止めてしまう


ここで一見無意味に思える 確かな成長は

無駄な成長と いい訳じみた葉にすり替わる

そして涙のように落葉する


時には底床掘りおこしてでも

新しい空気と一緒に 還ろうとする葉と

混ぜ合わせる事がとても大事だと知る


還ろうとする葉はこの 木の葉かもしれない

風に吹かれた 他の木々の葉かもしれないだろう


全ては吸収されながら選り分けられる

そしてこの木は又成長したいと願う


そして一歩ずつ大樹に近づく

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