描いた空の写真と机の上
夢で掴み損ねた 雲ひとつ無い快晴に
心は塗りたくられていた
そのままを写す様に
夢の瞳に映った空を思い浮かべて
一枚の画用紙を 僕は水色で塗り潰した
そして僕は左手で 青空を青空に掲げ
現実の遠い空の一部に 混ぜ込んでみたんだ
もう片方の手で
一枚の写真を撮る自分の姿
きっと他人には滑稽だろう
ぼやけた写真を見て
一人で苦笑いを浮かべる
夢と現実の狭間は
水色の画用紙と空との境目であって
僕の滑稽な行動は 全て現実であるし
現実でなければならない
手元にある一枚の写真には
空と水色の画用紙と僕の手が写っている
それを僕は持ち帰り
小さく薄暗い部屋の隅にある
机の上に置いてみた
手元にある小さく古びた明かりが
机の一部を鮮明に照らす
此処までが想像の域で
其処までが現実で
其処以降が 論じたい事であり
意味も無く 声を大にして独りで語る
それでいて何処からかは
打ち負かされる事で行き着く領域
其の先に見える理不尽な議論は
全て幻で出来た現実
幻と戯言を水色で隠し
それを写した写真を机の上に置く
想像でしかない事を重ね続ければ
それはいつか現実となる
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