ABRAHAM

 アブラムが99歳の時、神がアブラムの前に現れた。


「私は全能の神だ。お前は私の前を歩いてとにかくすげぇやつになれ。そう、全き者ってやつに。

 私はお前と契約を結んで大いに子孫を増やす。これ確定要素な」


「ははーっ! 神様あざーす!」


「私はお前と契約を結ぶ。そしてお前は多くの国民の父になる! だから、お前はこれから『アブラム』じゃなくて『アブラハム』と呼ばれるようになる。

 お前は後に多くの子孫を獲得し、これからの王様もお前から出て来る。

 そして私はお前の子孫とも契約し、これを永遠の契約として、お前と全ての子孫の神になる。

 んでもってカナンの全地を全部お前にあげるよ。そんで私は彼らの神になる!


 まだ続くぜ? よく聞け。

 これらの契約は必ず守れ。その印として、男は全員『割礼』を受けろ。これも契約の中に入ってるからな。絶対に守れ。

 そしてこの割礼はお前の子孫から生まれた人間も勿論、銀で買った異邦人にも、全ての人に対して、生まれて8日目に受けさせろ。

 こうしてこの契約は永遠のものになる。

 逆に、割礼を受けない男はみんな私の契約を破ることになり、そいつらは国民の内から外されることになる


 あと一つ。サライ、てめえのことだ。

 サライ。お前はもう『サライ』ではなく『サラ』と名乗れ。

 私はお前を祝福し、1人の男の子を授けるぜ。そして私はお前を更に祝福し、お前を国々の民の母とする。

 お前からはこれからどんどん民の王が出るからな」


「ははは……ははははははは!! おいおい神様、冗談はよしてくださいよ。サラはもう100歳を超えているんです。こんな年寄りが今更子供なんて……産める訳がないでしょう!」


「いーや産む! 私が産むと言ったら産むんだよ! それで男の子の名はイサクと名付けろ。私はイサクと契約を立てて、後の子孫のために永遠の契約をする。

 後そうだな。イシマエルについてはハガルの願いを聞く訳になるから、私は彼を祝福し、多くの子孫を獲得させ、それを大いに増させる。

 ハガルは12人の人を産み、私はハガルを大いなる国民にする。

 あ、でもな。私は、来年の今ごろにはサラと契約立てるから。オーケー?」


 よーし言いたいことは言ったので今日は帰るわ。じゃーねー。


††††††


 この日、アブラハムとイシマエルは割礼を受け、イシマエルは13歳。アブラハムは99歳だった。

 また、その家の人々と家から生まれた者や銀で買われた異邦人もみんな、その日に割礼を受けた。

──────────────────

次回、『PROMISE』


 因みに割礼って何かというと、カクヨムではちょいギリギリなので、伏字はそういうことかと思ってください。

 割礼とは、男のアレの皮の先っちょを切ることです。普通は生まれて8日目にやるらしいけど、ここに書いてある通り、イシマエルとアブラハムは神に聞いてからやってんだよな。

 絶対クッソ痛いけど、日本にはそういう事例ないから、ここを読んだ時は本当に日本に生まれて良かったと思ってました。

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