第34話
翌日、俺はリン達を呼び黒い女の正体とその元凶について話した。
「なるほどね、じゃあ早くぶち殺しに行きましょう」
「リン、ちょっと待って」
「聞いてたわよ?別に王国専属の魔術師団を壊滅させた所で間違いなら逃げればいいだけじゃない」
あ、そっちか。
「でも、そうなれば零魔団や他の零魔団員が酷い目に遭うよ」
「零魔団なんて自由に活動してるだけだしどうにかするわ、それにみんな零式の熟練者よ?そこらの奴らには負ける訳ないでしょ?」
「私も同意見」
「ライとシーアは……」
「私達が団長の意見に逆らえると思いますか?」
……思わないな。
「あんたもお姉さんを助けたいんでしょ?なら迷っている暇ある?」
「……ないです」
リンの気迫に押されてしまった……本当成長したな、それがいいのか悪いのかはわからないが。
「本当に行くのなら二手に別れた方がいいんじゃないかな、もしかしたら2人ともグルかも知れないし」
「そうね、変に連絡取られたら面倒だしそれなら私はルドフ側に行くわ。あいつむかつくから」
「じゃあ僕はナドフの方に行くよ」
ナドフとは少なからず因縁を感じる。
であれば俺が行くべきだろう。
「もうお爺さんでしょ?私はこっちが本命だと思うけど?私と一緒に来なさいよ」
俺は逆に感じていた。
胡散臭いのは間違いないが、どうしても俺は以前に見たナドフの俺を見る嫉妬の眼。
レイ・ゼロスを1番恨んでいるのはナドフだろう。
「私がレイズと一緒に行くからリンは頑張って、シーアもこっち」
「くっ……別に1人でも行くわよ!」
「安心してください、私がついていますから」
決まったなら、すぐにでも行動したい所だが心配はある。
いつどこでリンとノルを狙っているかわからないのは常にリスクを孕んでいる。
「もしかして、私達の心配してんの?」
「え?それは……うん」
「そんなこと必要ない、私もリンも最強」
「そうよ、適当に使えるようになりましたー、なんて零式にレイから教わった私達の零式が負けるはずがないんだから」
「うん、そうだね……うん?あれ今レイから教わったって」
リンはあ、と言う顔と一瞬したがすぐにいつもの様子に戻る。
「間違いよ!とにかく、すぐに動くから準備してなさい!」
どんな言い間違いだと問いただしたくなるが今は後だ。
「わかった、2人は強いもんね」
「そうよ、それよりあんたこそお姉さんに攫われない様にすることね」
当然だ。
リンとノルが更に強くなり、真に零式を使える様になるのを見届けるまでは。
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