第32.5話
「姉さんは寂しくないの?」
「はい?なんのことですか?」
「その……お母さんとお父さんのこと」
──これは、確か昔の記憶。
気になって質問した時があった。
今思えば失礼だったのだろうが、この時はそんなことは思わなかった。
つい、興味からそう質問していた。
「そうですね、昔はないと言えば嘘になりますが今はそんなことありません。だってレイズも新しい父様も母様いますから。私は4人で平和に生活出来ればそれ以上何も望まないですよ?」
既に両親の事は乗り越えているのか。
……強いな。
「……そっか、なら僕も約束する。姉さんは僕が守るから安心して、変なやつが来たら僕が追い払うから」
「レイズは頼もしいですね!ですがまだまだレイズは子供、私がついていないとだめですからしばらくは私が守らないとですね」
流石お姉さんだ。
「でも、期待していますよ?」
「任せて、でも姉さんに将来旦那さんが現れるまでだけどね」
「え?いいんですよ?」
「え?」
「レイズが私のお婿さんになってくれてもいいですよら。」
「え?姉弟の結婚は無理だよ、ね?」
この世界でも倫理的に不可能だ。
「知らないのですか?私とレイズは義理の姉弟、結婚できるのです!」
……フィクナは年下趣味なのか?
「ええと、何にせよ僕がついてるから安心して……」
「ぐぬ……なんかその言い方傷つきますね、それに弟を守るのは姉の役割と言っているでしょう!」
「フィクナ!鍋から火が出てるぞー!!」
「あぇぇ!?すいません今すぐ消します!」
……危なかっかしい。
やはり、俺がきちんとしなければいけないようだ。
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