第27話
「水晶の場所を二手に手分けして探そう、きっとプリズロックが守ってるはず!」
「そんなのわかってるわよ、指図しないでよね!」
「了解」
「ハシャマさんは僕と一緒に来て!」
「わかったべ!」
プリズロックは大小様々だか小さくても2m程。
小さなイシャがプリズロックに会ったらひとたまりもない。
森は広く、更に極寒。
身体の小さなイシャなら1時間と経たずに凍死してしまってもおかしくはない。
「レイズ様!こっちみてけろ!」
目の前に氷の塊。
いや、とんでもない巨大な氷の山だ。
プリズロックの大群、それが無数に集まり何かを囲んでいる。
そして中心に光る何か、間違いなく水晶だ。
「助けておっかぁ!」
それに氷の山の中に溺れるようにしてイシャがもがいていた。
「僕がプリズロックを引き付けて倒すからハシャマさんはイシャちゃんをお願い!絶対に直接触らないで!」
「わかた!任せてくんろ!」
プリズロックの一部が俺とハシャマに向かってくる。
「そっちには行かせないよ」
──
プリズロックの大群を集約させ。
──
瞬時にプリズロックは崩れ去って行く。
魔力消費が激しい零式はこれだけ多いと無闇には使えない。
「うらぁぁぁあ!!イシャを返すんだべ!」
氷の山を登って助けているかと思ったが
まさかのプリズロックを殴って崩しながら助け出そうとしていた。
それに殴っても拳が全くの無傷。
あれは身体が頑丈と言うわけではなく……零式だ。
こんな辺境だし教える人もいないだろうし多分自然に身につけた可能性が高い。
「もうちょっとだ!いま助けんかんな!」
ハシャマがイシャを引っ張り氷山から脱出する。
今だ。
水晶含め目の前の全てを標的に。
──
断裂と同時に水晶と全てのプリズロックが殲滅される。
「な、なんじゃあこりゃぁぁぁぁ!全部いなくなったど!?なんでだべ!?
「た、多分崩れて潰れたんじゃないかな……」
「はぁ、そんなこともあるんかね……?」
一応納得してくれたか?
「とんでもない音したけど大丈夫なの!?って何これ!?」
「プリズロックの死体、たくさん」
「僕じゃないよ、なんか勝手に崩れて全部倒れたんだ、それにハシャマさんがボコボコにしてくれたから」
「そうなの?知能は低いのね、その子も無事みたいだし良かったわ」
「早く戻る、寒い」
確かに無事でよかった、だが。
俺の水晶を利用して混乱を起こそうとしている奴がいるのは間違いないようだ。
名誉だけの問題ではなくなった。
一刻も早く止めなくては。
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