第4話

「まずは魔術の基本から説明する、2人は魔術が何か知らないだろう?まずはそれを学べば理解も早い」


「確かに知らないけど……」


「魔術には主に4つの段階がある、最初のは何かわかるか、ノル」


「……詠唱?」


「正解だ、詠唱はどの魔術を選択する意味もありその詠唱の長さにより威力を変化させる……なんだ?」


「無詠唱を見たことあるけれど、どういうこと?」


「あれは無詠唱ではなくただ声に出していないだけ、頭の中では詠唱している。集中力が無ければ邪念が入り難しい技術だな。ではリン、次は何だ?」


「ええと……詠唱の次だから、使用かしら?か」


「惜しい、詠唱した魔術はまず発現する。それが次の段階だ」


「それって使うのとどう違うの?」


「言葉より見た方が早い」


 手のひらに乗るほどの小さな火球を《ファイアボール》を発現させる。


 そしてそれをそのままリンに放り投げるが、火球はリンを焼く事なく頭の上に乗る。


「きゃっ……え、何で?」


「発現しただけの魔術には何の効力もないからだ。剣でも斧でもそこにただあるだけではその力の殆どを発揮出来ないのと一緒だな」


「私も簡単な魔術なら使える、でもそんなこと考えたことない」


 ノルは無詠唱で小さな火を指から放つ。


「発現と次の段階である行使は無意識で同時実施しているからな、だがそれが別々に出来るようになればこんなことも出来る」


 指を鳴らすとリンの頭の上に乗っていた火球がノルとリンを包む。


「きゃぁっ!?」

「ひゃっ!?」


 そして現れたのは全裸の2人。


「変態!!」


「これが行使、時間差で魔術を行使できたりもする。そして2人には俺の集大成である零式ゼロレンジを覚えてもらう。詳しい内容は教えながら説明するが、こういうものだ」


 外に出て地面に触れる。


──零式絶ゼロ・ブレイク


 直後、遠く100m程大地が裂けその深さは底が見えない程。


「…………」

「…………」


「なんだ、大したこと無かったか?」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


 ノルは声も出ない位驚いている様だ。


「……数年前にバスダニア帝国が侵略してきた時、突然現れた巨大な地割れで形勢が逆転したと聞いたことがある」


「それって神裂の地変のことよね!?皆知ってるユースティア歴史上奇跡って言われていて……それがこれだってこと!?こんな魔術を覚えるなんて無理よ!」


「いや、絶対に覚えてもらわないといけない」


「どうして?」



 簡単だ、1


 ……とは幼い2人には言えなかった。


 俺の身体は零式に適した身体じゃなかった。

 死ぬまでに必ず覚えてもらわないと困ると言ってもプレッシャーになるだろう。


、これを広めることが出来れば俺の評価や存在なんてどうでもいい。どうだ?やる気になったか?」


 2人は黙ってしまう。

 やはり幼い2人には無理か……


「ふん、私に出来ないことなんてないわ」


「私も頑張る、自分の身は自分で守れるから」


「そうか」


 単純な理由だが、だからこそいい。


「なら、早速だが……」


 俺はリンの両脚を大きく広げる。


「………へ?」


「念の為処女かこの目でも確認しておく必要がある、ハーフエルフは処女であればその魔力は数倍にもなるらしいじゃないか。さて、処女膜はこうすれば……」


「このっ……へんたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあい!!!!」


 俺の頭が床にめり込み更に数mの地割れを生み出す。


 いきなりこれほどの実力とは……素質があるな。


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