第2話 憧れは所詮憧れ 地獄の始まり…

第2話


私の名前は雨崎 蒼町。


私にはとある憧れがあった。


それは幼馴染との恋だ。


どうしてそう思う様になったかというと、とある二人を見たからである。



私の従姉妹である雨崎あめさき 朱里あかり(裏朱里)とその幼馴染である霧崎きりさき 竜馬りゅうまの在り方は素晴らしい物に私の目には映ったのだ。


お互いがお互いを思い合い、幸せそうに過ごす姿を見て、羨ましく思ったのだ…


私にも幼馴染が居る。


優しい奴だし、少なくとも好ましく思う幼馴染だ。


アイツに告白でもされたら、私はどうしたら良いのかな?


案外、嬉しいかもしれない…


そう思っていた…


…少なくとも、この時は。


-----------------------------------------------------------------


私は幼馴染の一馬から告白され、付き合う事にした。


最初は楽しかった。


憧れが叶ったと思った。


でも…


「何で手を出してくれないの?」


アイツは手を握る時もいちいち聞いてくるし、良い雰囲気になってもキスすらしてこない。


はっきり言ってヘタレ過ぎる…


「はぁ…」


少しずつ冷めていく感じがした。


熱が冷め、固まっていく様な感覚…


そんな時…


「ねぇ、そんな寂しそうな顔をしてどうしたの?」


同じ高校の制服を着た男子が話しかけてきた。


そこから私の間違いが始まったのだが…


それを今の私は知るよしもなかった。


「実はね…」


不満が溜まっていたせいもあったが、知りもしない男子にぶち撒けてしまった。


「ふんふん、それは駄目だね。」

「でしょ!」


その男子は親身になって話を聞いてくれた。


その後も私の愚痴を聞いてくれて、別れた後も私の心には彼が居座り始めた。


我ながらチョロいな…


でも、私は次に彼に会う日が楽しみになっていた…


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る