第24話 浪人生、初めてのポーション作り(実践編)

 さあ、ポーションを作ろう。

 ここの異世界ポーションは思ったほど凄くはないけど、AきゅうとB級ポーションはそれなりに凄いからね。

 特にA級ポーションはステータス異常を完全回復してくれるみたいだし。

 今日みたく三時間歩いただけでパンパンになる俺の足にも効果がありそうだ。


「よし、A級ポーションとB級ポーションを作るぞー!」

「┅┅ん、コータ。S級も」

「いや、それはいい」


 だって、S級ポーションは精力剤なんだもん。いわゆるバイアグラ的な。

 いつかは欲しくなるかもだけど今はいいんだ。


「┅┅ん、コータは自信過剰。すぐに欲しくなる」


 はいはい。下ネタ好きのスライムは放っておいて準備に取りかかろう。

 まずは魔法陣を書くための黒い板。

 次に材料となる賢者の石。

 最後にポーション用のビン。俺はベッドの上にそれらを置いていく。

 あ、いや、ビンは賢者の石からでも余裕で作れるんだけど、ちょっと勿体ないんだよね。

 せっかくおエビデンスゴータマのマジックバックにあるんだから有効活用したいじゃん?

 という訳で賢者の石の横にビンを幾つか置いておく。


「じゃあ、まずはB級ポーション用の魔法陣を描くぞ」

「┅┅ん」


 俺は黒板に魔力を流し魔法陣を描く。

 うん、上手くいった。

 あとは作るももを想像しながら念じるんだ。


「B級ポーション!」


 すると、魔法陣が怪しく光り、賢者の石とビンが消えた。

 そして、すぐに薄い紫色の液体が入ったビンが5本出てきた。

 おおっ、これがB級ポーションか?

 すぐに手にとってみる。

 あれ?

 ビンの形が変わってるな。

 というかコレ┅┅

 ラムネのビンじゃね?

 俺はジト目でスライムを見る。

 すると、ポヨが答えてくれた。


「┅┅ん、ご主人様は日本のラムネ好き。だから、ビンは全部その形。ただし、中身はポーション。皆飲んでみる」


 ポヨの説明を聞いて冒険者三姉妹のアイマイミーが乗り気で近寄ってくる。


「うわあ、いいんですかー?」

「ポーションって聞いたことあらへんけど、コータはんの錬金術やし期待できるな」

「あたしもー。何か美味しそう。あれー? でも、これどうやったら飲めるのかなあ?」


 興味津々のご様子。

 俺は三人にラムネの開け方を教える。

 皆、ビー玉部分を押して無事に開けることができた。


「うわっ、プシュって言った!」

「何やこれ? シュワシュワしとるで?」

「あっ、口の中でチクチクする! でも、甘くて美味しい!」


 どうやらB級ポーションはガチでラムネみたいな感じのようだ。

 本当にポヨが言うようにステータス異常の完全回復ができるんだろうか?

 俺がそんな心配してると、まず長女のアイが大きなアクビをした。


「ふぁ~あ、何だか眠くなってきちゃったなあ」


 すると、次女のマイと三女のミーも続けてこう言う。


「あっ、ウチも猛烈に眠いわ」

「あたしも、あたしも┅┅」


 あっという間にみんな寝てしまった。

 おいおい、これ睡眠薬じゃねえだろうな?

 俺がお騒がせスライムを見ると、何故かドヤ顔でこう言ってきやがった。


「┅┅ん、コータ。B級ポーションは日本の男ならみんな欲しがるクロロホルム入り。さあ、今がチャンス」

「お巡りさーん。こいつが犯人でーす!」


 俺は、いるはずもない日本の警察を呼んでしまった。

 異世界であった最初の犯罪者がスライムとか┅┅

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