第23話 浪人生、初めてのポーション作り(解説編)

 ポーション。

 それは、ファンタジー世界における必須アイテム。

 怪我をなおし病を癒し、時に失われた四肢すら元に戻す。

 素晴らしい。

 素晴らしいよ、異世界!


「ポーションとかあんのか? スゲーな」

「┅┅ん、ない」

「ないんかーい」


 またしてもポヨにおちょくられたようだ。


「ポーションって何ですか?」

「もしや、ホットミルクみたいな甘いもんか?」

「あたしもーお腹いっぱい」


 どうやら冒険者のアイ、マイ、ミー三姉妹も知らないようだ。

 本当にないんだポーション。

 ちょっとガッカリ。


「┅┅ん、ご主人様が日本に行く前作り上げた。S級からE級まで6階級のポーションできた」

「おお、凄いな。つまり、S、A、B、C、D、Eの6階級か。で、効能は?」


 俺は身を乗り出してチューリップハットのスライムに尋ねる。


「┅┅ん、E級ポーションは疲労回復」

「お、おお」


 まあ、一番下のE級ならそんなもんか。


「で、D級は?」

「┅┅ん、疲労回復と栄養補給」


 それ、分ける必要あるか?

 ま、まあ、いい。

 次に期待する。


「C級は?」

「┅┅ん、元気溌剌」


 なんかアホらしくなってきた。

 こいつ、絶対オロナミンとかけてるだろ。

 いや、美味しいけども!


「┅┅ん、B級は」

「ポヨ、もういい」


 下らんポーションに関わるよりは今日は早めに寝て明日に備えよう。


「じゃあ、皆さん、ちと早いけどもう寝ましょうか?」

「そうですね」

「明日はカルメラ村まで行きたいわー」

「あははは、マイお姉ちゃんカルメラ村の名物お菓子好きだもんね」

「へえ、そんな美味しいお菓子があるんだ。じゃあ、明日は早めに出てその村を目指そう。俺も頑張るよ」

「「「はーい。オヤスミナサーイ」」」

「おやすみー」

「┅┅ん、イジメ良くない!」


 スライムが拗ねた。

 だって、ポヨの言うポーション、全部日本の栄養ドリンクなんだもん。

 悪かったよ。


「┅┅ん、慌てるコータはもらいが少ない!」


 そこ、乞食な。

 やれやれ。


「で、次は?」

「┅┅ん、B級ポーションはHP(ヒットポイント)MP(マジックポイント)完全回復」

「いきなり凄いな。じゃあ、A級ポーションは?」

「┅┅ん、ステータス異常完全回復」

「おお、これも凄いな。じゃあ、S級は相当凄そうだな?」

「┅┅ん、精力剤。別名バイアグラン」


 それ、カタブシ村のパン屋の看板娘ミーシャの親父にやってた薬だよな?

 あの子だくさんの。

 一気に下らなくなったな。


「┅┅ん、コータ。さっそくS級ポーション作る。いくら、浪人生でも生娘三人とヤるのは大変」

「ヤらねーよ!」


 うん、ダメだこのスライム。

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