第22話 浪人生、初めての錬金術(賢者の石編)
掘っ立て小屋にあった白骨化死体。
あれ、実は賢者の石なんですよ。
エビデンスゴータマが日本に行く前、お騒がせスライムポヨの発案で俺を脅かすために変化させていた代物。
小屋を出る前ポヨが飛ぶスライム跡を濁さずとか言って、マジックバックに入れといたんですよね。
後でエビデンスゴータマ情報で知ってビックリしたわけです。
本当にこのスライムは説明不足でムカつきますわ。
でも、今はこっち。
俺はベッドの上で大騒ぎしてる猫耳三姉妹に事情を説明して大人しくさせる。
「┅┅ん、コータ。早く錬金術」
「お、おお」
アイ、マイ、ミーが落ち着いた頃合いでポヨが先を急がせる。
さて、エビデンスゴータマ情報によればこの後は┅┅
「ええっと、マジックバックに魔法陣用の黒板があるな」
「┅┅ん」
「これをまず取り出してと」
「┅┅ん」
「ほう、画板みたいだな。これに魔力を注ぐと。よし、いくぞー。うぇ! うぇ! うぇ! こ、こうか?」
「┅┅ん」
「おおっ、エビデンスゴータマ情報通りにやったらできた。黒板に魔法陣が浮かんでる。魔力って無理やりゲップする感じで流れるんだなあ」
「┅┅ん」
「んで、この上に賢者の石の欠片を置くといいんだな」
「┅┅ん」
「じゃあ、爪の先でいいか。ポキッと折ってと。そして、頭の中で想像するといいわけだ。よし、ホットミルク」
「┅┅ん、コータ。甘くして」
「あ、甘いホットミルク!」
俺は蜂蜜入りホットミルクを想像した。すると、ベッドの上に置いた画板みたいだな魔法陣用の黒板にニュッとコップが現れた。
湯気がたってるホットミルクだ。
「┅┅ん、美味しい」
「飲むのはやっ!?」
いったい、どこから飲んでるのやら。
あっという間にコップを空にしたスライムもどき。
「ポヨちゃん、どうでした?」
「┅┅ん、美味しいホットミルク」
「ホットミルクって甘いんか?」
「┅┅ん、甘々」
「いいなー。あたしも飲みたーい」
大きなベッドの上でチラチラこっちを見ている三人。
もちろん、俺は新しく覚えた錬金術で三人分追加で出してやったよ。
「┅┅ん、おかわり」
訂正。四人分だ。
「うわー、美味しいー」
「ほんまや。甘々や。甘々で超美味いやん!」
「美味しいねー。これ、今まで飲んだどのジュースより美味しいよー」
カレーに続き大好評だ。
「┅┅ん、コータ合格」
何故かスライムにそう言われた。
ええっと、いつの間に師匠枠になったの?
だが、上手くいって良かった。
錬金術っていいなあ。
俺は初めての異世界錬金術体験に満足していた。
「┅┅ん、コータ。次はポーション」
「ポーション?」
まったく、このスライムは俺の興味を引くのが上手い。
ポーションとか┅┅
素敵やん?
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