第31話
当然だけど。あー子様の付き添いは許可された。いくら王族だろうと神様に駄目なんて言える人物はいないだろう。事前に連絡があった謁見だったらあー子様には1回帰って貰うけど。こっちが望んだわけでもなく、突然謁見をねじ込んでくれたからな。
あー子様の自由にさせよう。
ただ、それによって並び順が少し変わった。
さっきまでは1番後ろからついて行きていたあー子様が先頭をあるいている。
目的も俺たちが国王陛下に謁見するのではなく。国王陛下があー子様に謁見する感じになっている。
「クトゥグア様、ご入室!」
なんか凄い仰々しい感じになっている。
国王陛下もちに膝をつけて頭を垂れてるんだけど。俺とステラさんは普通にあー子様の後ろを歩いている感じだから、なんか居心地が悪い。レッカが私に頭を垂れる必要は無い。
レッカの婚約者であるステラも同様に必要ないと言ったからこうなっている。
この時、あー子様がステラさんのことを俺の婚約者と言ったおかげで俺とステラさんの婚約が神様公認になった。
これで、王族だろうと横槍を入れられなくなったと謁見が終わってからステラさんが喜んでいた。
邪魔が入らないって言うのは俺も嬉しい。
「出迎えご苦労。皆楽にするといい」
俺にはもうどうにも出来ないのでこの場はあー子様に全てを委ねる。
あー子様に楽にするといいと言われて全員立ち上がる。
「そなたがこの国の王だな。私の可愛いレッカがこの国の学園に通うことになったからな。1度挨拶をと思ってな。レッカは偶にやりすぎる事が有るからな。迷惑料の先払いとして、これを受け取って欲しい」
あー子様が何処からか取り出した。真っ赤な腕輪を国王陛下に渡した。
装飾とか一切ない赤1色の腕輪だけど。どんな効果があるんだろう。
「この腕輪は装着するだけで火魔法のレベルがプラス2される。上手く使ってくれ。最近バルトゥーラ神王国も怪しい動きをし始めたしな」
バルトゥーラ神王国は国王が自らを神を名乗り、あー子様を初めとした神の事を人を騙す
悪魔と発言するクソ国家。
勿論、神から見放されているのでバルトゥーラ神王国にスキルダンジョンは無いし。バルトゥーラ神王国の人間が他の国のスキルダンジョンに入ってもスキルは手に入らないらしいんだけど。その分スキル無しで独自に技術を発展させてるらしい。
自分たちを悪魔扱いしている国だから神罰で潰そうかと考えたらしいけど。スキルに頼らず技術を発展させようとする部分は評価できるという事で放置されている。
「バルトゥーラ神王国がですか…。ありがとうございます。こちらは大事に使わせてもらいます」
バルトゥーラ神王国が怪しい動きを始めたとなると近いうちに武力衝突が起こる可能性が高い。火魔法のレベルをプラス2される腕輪は滅茶苦茶重宝されるだろう。
あー子様を悪魔呼ばわりしている国だし。
戦争が始まったら火の海に変えてやる予定だけど。
「それとレッカも色々持ってきているようだから、それも上手く使うといい」
え?このタイミングで渡すの?献上品だったのに俺が国王陛下に下賜しているみたいになっちゃうじゃん。
後々問題になりそうだからやめて欲しい。
俺の思いが伝わったのか、国王陛下の代わりに護衛の騎士が受け取りに来てくれたので献上品を一纏めにしておいたマジックバックを渡した。
「そのマジックバックはレッサードラゴンの魔石を使って空間拡張を付与したものなので、今までの物より物が入るマジックバックです。中身もレッサードラゴンの素材やロック鳥の素材。私自身も使っているレッサードラゴンの素材を使って作ったハンドガンも入っています。詳しくはこの目録をご確認ください」
何が入っているか書いてある紙を渡した。
「これでやるべきことは終わったな。今回はここまでだな」
本当は俺が国王陛下に謁見する予定だったはずなんだけど。一言も会話しなかったな。
あー子様が終わりって言ったら終わりだろうし。国王陛下と話すのはまた機会があればって感じだな。
個人的にはどっちでもいいけど。
こんな感じで謁見が終わり。あー子様と一緒に部屋に帰ってくる。
「なんというか国王陛下の胃に穴が空いてないか心配になる謁見だったな。あー子様、実際バルトゥーラ神王国は何しようとしてるの?」
あの場では何を企んでるのか、までは言ってくれなかったけど。今なら教えてくれるだろう。
「あまり、教えすぎるのもあれだから多少ぼかすが。まぁ、新しい兵器を開発して調子に乗ったバルトゥーラ神王国が周辺の国に戦争を仕掛ける準備を始めた」
ぼかすも何も全部教えてくれた気がするけど。あれか、どんな兵器を作ったのかその詳細は教えないって事か。
「あー子様を悪魔呼ばわりしている国ですから俺も当然戦争に参加するとして、スキルダンジョンを進める速度をあげる必要がありそう」
何かしらの防御スキルが欲しい。
俺が1人でバルトゥーラ神王国を相手にしてもいいなら防御スキルとか要らないけど。
そうは行かないだろうし。
「ちなみにムスペルヘイムを使うのは禁止だからな?」
国すら一撃で滅ぼせる。炎神の外套使用状態で使う最強魔法も禁止されてしまった。
「何でですか?あー子様を悪魔呼ばわりしている国ですよ?慈悲などいらないでしょう?」
「あれは反動でレッカだって大怪我するんだからダメだ」
あー子様にダメだと言われてしまったら、使う訳には行かない。やっぱりスキルダンジョンの攻略速度をあげる必要がありそうだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます