第30話

「当分、車の運転はしたくないって思うぐらい今日の運転は過酷だった」


どうにか日付の変わる前に学園に帰ってこれたけど。そのせいでずっと運転をする事になったミラ先輩は疲労困憊状態だ。


ほかのメンバーもLv8ダンジョンに行ってきた後、休憩も無しに帰ってきてるので、ミラ先輩程では無いけど全員疲れた顔をしている。


レンタカー屋さんに車を返して学園に帰ってきたことを伝えるため事務に報告に向かった。


「それじゃあ、明日に午後1番で国王陛下に謁見とい言うことですね」


「はい、そうなります」


「わかりました。それじゃあ明日の為に早く帰って寝ることにします」


事務員さんに確認をとると明日の午後一で国王陛下との謁見と言われた。礼服とか持ってないけど大丈夫かな?学生だし制服でOKみたいな感じ?後でステラさんに確認しておいた方が良いか。

って言うか。明日の昼ごはんあー子様が食べに来るってなってるんだけど。午後一で謁見だとあー子様に昼ご飯用意出来ないよね?

あ〜お腹痛くなってきた。なんで俺何もしてないのにこんなことになってんの?


あー子様に時間ずらして貰うか。俺のせいじゃないし、あー子様なら許してくれる。


エマ先輩とミラ先輩と別れて、部屋に帰宅する。

最低限シャワーを浴びて、そのあとは直ぐにベットに入るとそのまま眠ってしまった。


ジリリリと言う目覚まし時計のなる音で目を覚ます。

いつもは目覚まし時計使わないけど。今日は寝坊する訳にいかないのに、昨日の疲れが有るから寝過ごさない為に目覚まし時計を使った。


「あ〜。やっぱりまだ眠い。ほんとに国王陛下の来るタイミングが悪すぎる。いつも通りステラさんはもう起きてご飯作ってる見たいだし。顔洗って目を覚まして来よう」


廊下に出ると料理をする音が聞こえてきたのでステラさんは俺より早く起きて料理を作っているみたいだ。どのぐらい早く起きたのか分から無いけど。良く起きれるな。


「おはようステラさん。あー子様も」


顔を洗ってリビングに移動したらステラさんだけじゃなくてあー子様もリビングにいた。


「おはようございます」


「おはようレッカ。今日もまたタイミングが悪くなりそうだから朝から来ることにしたぞ」


なるほど。さすがあー子様だ。それと朝から油で揚げる音がするなって思ったんだけど。

あー子様が来てたからってことね納得。

ロック鳥の唐揚げ食べたがってたし。


という訳で朝ごはんはロック鳥の唐揚げだ。

今回の唐揚げは無難な醤油味。

ジューシーな唐揚げでとても美味しかった。


「ところでステラさん。俺、礼服を持ってないんだけど。こう言う時って制服でいいのかな?」


本当は昨日聞く予定だったんだけど。シャワー浴びて、お休みなさいぐらいしか会話をせずに寝ちゃったので、まだ聞けてなかったので今聞くことになった。


「学生ですし問題ないと思いますよ。それに突然、謁見をねじ込んで来てるんです。礼服を用意できてなくても仕方ないでしょう。何か言ってきたら、あー子様にどうにかして貰いましょう」


ステラさんも結構、あー子様扱いに慣れてきたよね。


「ご馳走様。そしたら俺は献上品として上級錬金術使って何か作る為に部屋に戻るね」


何かしら献上品も必要だろうし。素材だけでも良いだろうけど。後々俺の使ってる魔法銃の性能を知られて寄越せって言われるの嫌だし。


「レッサードラゴンでハンドガンを作るとして、弾はどうしよう?」


属性を何にすればいいか分からない。そもそも国王陛下が魔法系のスキルダンジョンを選んでない可能性だってあるし。

魔法系のスキルダンジョンを選んで無くても無属性弾なら使えるから無属性で作るか?

いや、いっその事全部1個づつ作っておいてマガジン変更して使ってもらうか。


マガジン変更で弾の種類を変更できるのは現状、俺の魔法銃だけだし。宣伝にもなるだろう。


「レッカさんそろそろ着替えて準備を始めた方がいいと思うんですけど。完成しました?」


ちょうど魔法銃が完成したところでステラが部屋にやってきた。


「ちょうど終わったところだから、今から着替えて、身だしなみを整えるよ」


部屋着から制服に着替て、この部屋で謁見してもらうと指定された部屋に向かった。

…あー子様同伴で。

ついてきてって頼んでないけど。ついて来ちゃったんだよね。


「ステラ・フリューゲルです」


廊下で待機している騎士にステラさんが声をかける。


「ステラ様にレッカ様ですね?ご案内させていただきます。…えーと後ろの方についてお聞きしても?」


まぁそうなるよね。


「炎神クトゥグア様です。本日 、レッカさんに会いに来ていたんですけど。この後、国王陛下に謁見行くと話したら、折角だし、私も国王に会っておくかと同行されています」


「クトゥグアだよろしくな」


あー騎士の人理解が追いつかなくて固まっちゃった。


と言うかこの世界の人達、この人神ですって言われただけでなんで簡単に信じてるのって思うかもしれないけど。なんか神聖なオーラ出てるからね。神様なんだって理解させられるんだよね。


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読んでいただきありがとうございます。

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