第8話

「ランダムスキルダンジョンは100分の1の確率でEXステージって言って今、クリアしたLv+5したダンジョンに挑戦出来る機能が有るんだよ。挑戦してクリアすれば強力なスキルが手に入る」


格上の敵と戦うことになる代わりにもしクリア出来れば強力なスキルが手に入ると。

ホントならLv1のスキルを使ってLv6の魔物を倒さなきゃ行けないから大変なんだろうけど・・・。


「烈火くんなら【炎神の寵愛】があるから余裕だね。EXステージも罠は絶対ないし、2人には攻略に便利なスキルを上げたから、

だいぶ楽に進めるはずだよ?」


「ご丁寧に説明ありがとうございますニャル様。ですが何故こんな所に?」


そう、当然目の前に現れてEXステージの説明をしてくれたのはニャル様という神様。

あー子様の喧嘩友達みたいな神様だ。

だから俺も知り合ったんだけど・・・。

この神様はたまにイタズラを仕掛けて、相手の反応を見て楽しんだりするから、完全に信用すると痛い目を見る。

因みに1番そのイタズラの被害にあっているのはあー子様だ。


「今回は100%善意ですよ。ほらあー子だけじゃ無くて私の為にも働いてくれたことあったでしょう?加護はひとり一個までしか与えちゃダメって決まってるからあー子に譲ったんです。その代わりに有用なスキルを上げようと思っただけです。

次回からはちゃんとランダムになります。

EXステージに進むかは2人で決めてください」


そう言ってニャル様は消えてしまった。

多分だけど今回は信じても良いだろう。

だから進むかどうかはステラさん次第かなと

ステラさんを見ると口を開けて固まっていた。


「今のナイアルラトホテップ様ですよね?」


「そうだね。俺はニャルって呼べって言われてるからニャル様って呼んでるけど」


「色々と衝撃的すぎてびっくりしましたけど、ナイアルラトホテップ様が進めと言ったのですから、EXステージに挑戦しますよね?」


ステラさんはやる気みたいだ。

でも、ニャル様を信じ過ぎると痛い目見るよ?いや、ホントに。

数回本気で助けてくれて、こっちが信じきったところで騙してくるからホントにたちが悪いんだ。


「そうだね。今回は挑戦しようか。因みにダンジョン攻略に便利なスキルを上げたからって言ってたけど、ステラさんはどんなスキル貰ったの?因みに俺は索敵Lv1だった」


「私は階段探知Lv1でした。Lv1だと階段がある大まかな方角がわかるみたいです」


確かにダンジョン攻略に便利なスキルだ。

毎回地形がランダムなランダムスキルダンジョンなら尚更。


「そのスキルが有れば、EXステージが広くても迷うことは無いか・・・」


ランダムスキルダンジョンLv6相当な筈なので、その分マップも広くなるはずだから、迷わないか心配だったけどその心配は要らなそう。


何時までもここにいても意味が無いのでランダムスキルダンジョンに入口の時みたいに

頭の中でYesと答える。


(EXステージへの挑戦が選択されました。

EXステージへの転移を開始します)


「綺麗な砂浜だ」


EXステージはエメラルドビーチのような綺麗な砂浜だった。

ここがダンジョンじゃ無ければ海水浴をしたいぐらいだ。


「本当に綺麗ですね。私がバカンスで行った砂浜もここまでじゃ無かったです」


そう言ってステラさんが波打ち際に近づいて行く。

可愛い女の子と綺麗な砂浜の組み合わせ良いな〜。

ステラさんが水着だったら更に得点が高かった。

そんなことを考えながらステラさんと砂浜を眺めていると、索敵スキルに反応があった。


しかもステラさんの足もとから。

砂の下に隠れている魔物がいるという事だろう。


ダッシュでステラさんの所まで近づき、ステラさんを抱き寄せる。


間一髪間に合ったようで、さっきまでステラさんが立っていたところからマテ貝のような魔物が飛び出ていた。

地面から10cmぐらいしか出てないから、

もしあのまま立ってても死ぬ事は無かっただろうけど、足に大怪我を負っていただろう。

マテ貝みたいな魔物にはさっき使ったより更に小さいピンポン玉サイズの火球を使って倒しておいた。

爆発範囲が最小限だからこっちに砂が飛んでくることも無い。

爆発の威力は変わらないけど、範囲だけ狭めた感じだ。


「今のはホッピングレーザーシェルですね。助けてくれてありがとうございます。

それで私はいつまで抱きしめられていれば良いのでしょうか?」


少し顔を紅くしたステラさんにそう言われる。

焦ってたから、気づいて無かったけど俺、今女性を思いっきり抱きしめてる!?

急いで離れる。

焦り過ぎて、若干ステラさんを突き飛ばして離れるような感じになってしまった。


「そんなに逃げなくてもいいじゃ無いですか・・・」


「女性を抱きしめたりとか初めてだったからちょっと焦っちゃって・・・ごめんなさい」


なんか空気が重くなってしまった。

こう言う時何言えば良いの?


「じゃあ慣れるために今日から1日1回私の事を抱きしめて貰いましょう。今日はダンジョンを攻略して汗を流してからもう1回抱きしめて貰いますから。階段はあっちに有るみたいですさぁ進みますよ烈火さん」


ステラさんが空気を変える為にあえてテンションをあげて階段に向かって歩き出した。

1日1回、抱きしめるくだりも空気を変えるために言っただけで本当にやるつもりじゃ無いよね?

確認したくてもドンドン進んでいってしまうので急いでステラさんについて行った。




読んでいただきありがとうございます。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る