第7話

平原に現れた小道を警戒しながら歩いていると少し前の草むらがガサガサ揺れる。


「どうします?」


魔法銃を構えながらステラさんがどうするか聞いてきた。

姿を確認する前に撃っても良いですか?って事だろう。


「撃っちゃって良いんじゃない?」


「それでは遠慮なく」


ステラさんが揺れている草むらに照準を合わせて引き金を引いた。緑色の弾丸が揺れている草むらに次々と飛んで行く。


フルオート射撃なのに照準がズレない。

魔法銃は射撃の反動が無いらしい。

実際に見ると凄いな魔法銃。攻撃までの時間も一瞬だし、弾速もそれなりの速さ、ついでに射撃の反動も無い。

1種類の弾丸しか撃てないけど、そんなの気にならないぐらい便利だな。


少しすると草むらから光の粒子が浮かんできた。スキルダンジョンの魔物は倒すと光の粒子になって消えるので、草むらに隠れていた魔物は倒せたのだろう。


「やっと倒せました。見えない敵を撃ったので、無駄弾が多かったですね。敵も倒しましたし先に進みましょう」


次、魔物が出てきたら俺が倒すって事になったけど、30分ぐらい歩いても一体も遭遇せず。

結局魔物より先に階段を見つけてしまった。


「魔物と1回しか遭遇しないダンジョンってどうなの?」


スキルダンジョンLv1はスキルを持ってなくてもクリアできる難易度だってのは分かってるけど、これは難易度低いってレベルじゃ無いでしょ。


「スキルダンジョンLv1の1階ですから。こんなものなんでしょう。下に降りれば魔物も増えるんじゃないですか?」


それもそうかと、気合いを入れ直して階段を降りて下の階に降りた。


「また平原ですね」


「でもって、小道も上と同じように存在してると・・・」


これは、魔物も増えないのかなと歩いていたらオオカミが1匹草むらから飛び出してきた。


「これで十分かな」


オオカミがジャンプして避けれないところに

火球を飛ばしてクリーンヒット。

火球は着弾したら爆発するようにしていたので、オオカミはミンチになった。

少しすると地面に飛び散ったオオカミだったものは光の粒子になって消えた。


「結構加減したんだけどあれでもオーバーキルだったか」


オオカミが爆発四散したせいで、こっちにも肉片が飛んできたから、火の壁を作って肉片を燃やさなきゃ酷い事になってた。


「今のはウルフLv1ですね。それより、烈火さんが作った火球は通常より小さいぐらいなのに中々の火力でしたね」


他の人が火球を使う時はバスケットボールぐらいのサイズらしい。当然、その分時間がかかるし、火力も俺の火球より低いらしい。

因みに今俺が使った火球は野球ボールぐらいのサイズ。


「わざわざ威力下げて攻撃するなら俺も魔法銃使った方が早いな。ある程度の火力を出したい時は、魔法銃を使わないで魔法を使えばいいだけだし。ステラさんは魔法銃を使わないで魔法を使ったりしないの?風魔法で竜巻起こしたり」



「竜巻を起こすなんて出来ませんよ。魔法も魔法銃を使った魔法しか使いませんね。やっぱりイメージをしっかりする必要が有りますし、魔法の制御も大変で、どうしても攻撃まで時間がかかって隙が出来てしまいますから」


魔法を構築してる間に魔法銃で撃たれたら

おしまいだしそうなっちゃうか。


「でも、魔法のスキルLvをあげれば烈火さんみたいな戦い方も有りなのかなとも思いました。魔法銃より圧倒的に火力が高かったですから」


「このLvじゃ、その火力が必要ないから、明日防具買うついでに魔法銃も買おうと思うんだけど、ステラさんいいお店知ってる?」


あー子様が1億くれたとき、当分お金に困らないなって思ってたのに直ぐに無くなりそう。

近いうちに資源ダンジョンに入ってる金稼ぎもし無いとな。


今は本格的に学校が始まる前だから良いけど、これに授業まで始まったら忙しいってレベルじゃないな。


「案内する事は可能ですがお金足りますか?」


「魔法銃、買うぐらいならなんとかなるはず。その後、資源ダンジョンで金稼ぎする必要あると思うけど」


「烈火さんの火魔法を使って資源ダンジョンに潜れば、簡単に億万長者になれますね。

Lv10ダンジョンも余裕でしょうし」


「そっか資源ダンジョンはLv1からコツコツ進める必要無かったね、近い内に金稼ぎに行こう。トラップが無くて高Lvの資源ダンジョン探しておこう」


そんな事を言いながら進んでいると階段を見つけてしまった。

2階層も魔物と1回しか遭遇しなかった。

次の階層こそはと階段を降りるが3層4層も魔物と1回しか遭遇せず。

最終層の5層にたどり着いてしまった。


「本格的なダンジョンはLv2からですから仕方ないですよ」


そう言って落ち込む俺をステラさんが励ましてくれる。

こんなダンジョンさっさとクリアしてやる!

とボスの間に突入した。


「あれってオーク?」


エロゲーに出てくるオークと違ってイノシシに似た顔をしてて、体も結構引き締まっている様に見える。

道中で倒したウルフLv1よりめっちゃ強そうに見える。


「強そうに見えても所詮オークLv1なのでもし攻撃をくらっても少し痣が出来るぐらいで済むはずですよ」


そう言ってステラさんがフルオート射撃で風の弾丸をオークにお見舞した。


それだけでオークは風穴だらけになって死んでしまった。

呆気なかった。

Lv1だとどんな魔物でも大して強くないって事なのだろう。

エンシャントドラゴンだったとしてもLv1だったら激弱なのかな?

ちょっと見てみたいなと考えているとダンジョンに入る時の聞こえた声が聞こえてきた。


(スキル索敵Lv1を獲得しました)


索敵スキルが手に入ったらしい。


(ランダムスキルダンジョンEXステージへの挑戦が可能です。挑戦しますか?)


EXステージ?何それ。




読んでいただきありがとうございます。




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