第6話

食堂に来て何も注文しないのはあれかなと思い、どのお店がいいかなと見て回っていた。


「食堂と言うよりフードコートだな、ドーナツ売ってるあのお店にしようかな」


ミ○ド風のお店にする事にしてトレイとトングを取りドーナツをいくつか選んでホットコーヒーを注文した。


「770円になります」


スマホに電子マネー決済機能がついているので、スマホで読み取り用の機械をタッチする。


「ありがとうございましたー」


会計を終わらせて近くの空いているテーブル席に座り、スマホを弄りながらドーナツを食べる。


「思ったより美味しいなドーナツ。それにしても寵愛持ちが現れたってもう噂が広がってるのか」


ネットニュースやSNSを見ると火の寵愛持ちが現れたと言う話題1色だった。

流石に個人が特定されるような写真などは載ってなかった。

ネットリテラシーが高いのか、それともまだ特定出来ていないのかどっちなのか気になるけど、出来れば前者が良いな〜。


「待たせちゃ行けないと急いだんですが、そんな必要無かったですね」


俺がフードコートに着いて20分ぐらいだろうか、ステラさんがもう装備を整えて到着した。


「女性の準備って時間が掛かるから、待ったり待ってようと思ってたんだ、ごめんね」


因みにステラさんの装備は白を基調とした軍服風の服とP90カービンだ。

凄い似合っている。


「女性が身支度に時間がかかるのは事実なので、別に怒ってないですけどね。私もお腹が空いたので残ってるドーナツ食べて良いですか?」


「どうぞ。好きなのを食べてください」


そう言うとステラさんは椅子に座りドーナツを手に取った。それ俺が次に食べようと思ってたやつだったのに・・・ダンジョン帰りにお持ち帰りで買って帰ろう。


「それでこの姿の感想は無いんですか?」


そう言えば似合ってるなって思っただけで、口に出してなかったな。


「ステラさん以上にその装備が似合う人はいないって断言出来るぐらい似合ってます」



「そう?ありがとう。烈火さんはほんとに何も装備しないでダンジョンに行くんですか?」


地球じゃ武器を持ち歩くの大変だから、装備なんてした事無かったし大丈夫だと思ってたけど、防具は何か用意した方が良いのかな?


「大丈夫だと思って何も用意して無かったんだけどやっぱり不味かったかな?」


「Lv1なら防具が無くても攻撃当がたったとしてもちょっと痛いぐらいなので問題ないと思いますけど、やっぱり防具は何かあった方がいいと思いますよ?この装備を作って頂いたお店がこの街に有りますからご案内しましょうか?」


センスも良さそうだし、貴族のステラさんが使ってるんだから性能も高そうだ。

お金もある程度あるし、明日はそのお店に案内してもらおう。


「ステラさんの言う通り明日はお店に案内して貰おうかな。因みにどのぐらいお金出せば防具って作れる?」


「500万~1000万有ればそれなりの物が買えますよ。気にしなくても、お金は私が出しますよ」


絶対に彼女にお金を払わせちゃ行けないと俺の直感が告げている。


「1000万ぐらいだったら全然出せるので大丈夫です。お気遣いありがとうございます」


「そうですか・・・チッ」


小声だったけど今絶対チッって言った。


「烈火さん、そろそろランダムスキルダンジョンに行きましょう」


舌打ちについては下手に触れると火傷しそうなので、ステラさんの言う通りダンジョンに向かうことにした。


「色々あったけどようやく着いたぞ!

ランダムスキルダンジョン!」


目の前には神殿風の小さい建物があって中に操作できるパネルがポツンと設置されている。

この世界のダンジョンは全てこうなっているらしい。

スキルダンジョンの場合パネルを操作してレベルを決めるらしい。

資源ダンジョンはLvは固定なのでダンジョンに入る時にしか使わない。

十階層事にセーブ地点があって転送階層の設定も出来るらしい。


「早く入りましょう。パネルに手をおけば転移出来るはずです」


無駄に時間を使う必要は無いか。

パネルに手をおくと無機物チックな声が脳内に直接聞こえてきた。


(入室希望者の存在を2名確認。現在、希望者の選べるLvは1のみです。ランダムスキルダンジョンに入室しますか?)


心の中でYESと答える。


(了承を確認しました。只今から転移を開始します)


その声を聞いた瞬間目の前が真っ白になった。


視力が回復して周りを見ると草原が広がっていた。

隣にはステラさんもいる。無事に2人で転移出来たみたいだ。


「ここがダンジョン」


「今回は草原タイプ見たいですね。視界も良いですし、当たりの部類でしょうか?」


ランダムだから突然火山地帯とか氷河の可能性もあるもんな〜。

暑さには耐性あるし、寒さも火を出して暖を取れるから問題ないけど、必要ない方が楽だし出来れば来ないで欲しいな。


「早速、階段を探しますか」


「そうですね。とはいえLv1ダンジョンなので真っ直ぐ進めば直ぐに階段が見つかると思いますよ。後、草が高いところは魔物が隠れてないか注意する必要が有りますね」


草原を少し歩くと、草が生えてない小道を見つけたのでそこを進むことにした。




読んでいただきありがとうございます。





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